2015年10月24日 09:00
「ジャパン・バーチャル・ロボティクス・チャレンジ」が初開催 - 仮想空間で災害ロボットの技術を競う日本版DRC
もちろん、完全にオリジナルのロボットを作っても構わない。
DRCでは、高価なヒューマノイドロボットがあちこちで転倒するのが衝撃的であったが、シミュレーションであれば、転倒による故障の心配は無い。シミュレータ上とは言え、ヒューマノイドの転倒は心が痛むものではあるが、リスクが高いミッションにも気軽に何度でも試すことができるのは大きなメリットだろう。実際に産総研では、Choreonoidを日常的に研究開発に利用しているそうだ。
筆者は日頃からロボット業界を取材しているが、日本はハードウェアなどモノづくりは得意なものの、ソフトウェアや、社会への適用などの部分が、少し後手に回っているような印象を受ける。競技をソフト部分に特化することで、より人口が多いIT業界など、異業種からの人材やアイデアの流入も期待できるだろう。
●競技内容はロボットの本質にフォーカス
○トンネル災害に挑め!
では次に、競技の内容について説明しよう。
今回の競技のテーマはトンネル災害である。
「地震によりトンネル壁面が崩落し、走行中の車両に落下。後続車を巻き込んでの多重衝突事故が発生した」と想定し、以下の5つのタスクを用意した(R1~R5)。