くらし情報『航空会社のつくりかた (10) 関空線での悪戦苦闘 - ANAとの適度な距離感』

2015年10月29日 10:30

航空会社のつくりかた (10) 関空線での悪戦苦闘 - ANAとの適度な距離感

航空会社のつくりかた (10) 関空線での悪戦苦闘 - ANAとの適度な距離感
堀高明代表取締役社長とともにスターフライヤーを立ち上げたひとりとして、スターフライヤー創業の歴史をここに記していこうと思う。前回、20億の赤字となった就航初年度について触れた。今回は関空で強いられた苦戦、そして社内からも疑問の声が上がったブランディングの価値をテーマにしたい。

○苦戦が続く関空

ANAとのコードシェアを開始した北九州線は期待通り安定した利用率を維持するようになったが、4号機の苦肉の活用策として2007年9月から開始した関空路線はたちまち苦戦に陥った。

当初は6割程度の利用率があればやっていけると踏み、まずは金額に厳しい関西の人々に認知してもらうため「お値打ち価格」の7,000円台の運賃を設定した。大阪の人は「空港にバスで行くと、伊丹なら600円、関空は1,300円、しかも遠い。トータルで見て関空には行かんな」というのが一般的な感覚だ。「ゆったりした革張り座席」は選択の順位として下位にしかなく、伊丹空港と新幹線を相手にわずか1日1,200席に満たない座席を埋めるのは容易ではなかった。


当初の「安いチケット」はそれなりに奏効し、7割前後の利用率を維持していたのだが、いかんせん7,000円台では採算が取れないし、これまで広めてきたブランディングの効果も生かせないことになってしまう。

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