2015年10月8日 10:30
航空会社のつくりかた (8) スターフライヤー就航日、そしてWBCからの贈り物
堀高明代表取締役社長とともにスターフライヤーを立ち上げたひとりとして、スターフライヤー創業の歴史をここに記していこうと思う。前回、「他にない」制服や機内サービスなどの選定に触れた。そして話は就航日に移る。
○キャプテンの出発サインに感動
就航日の2006年3月16日の羽田空港は曇り空。北九州空港は雨の寒空となった。羽田発の便の方が出発時刻が早いため、実質的にはこちらが初便になる。堀社長とは「月並みな就航式典はやめよう」と言っていたのだが、北九州側は地元であり市役所、産業界(商工会議所)などお世話になった関係者の方々も多いので、「皆さんとのテープカットをしないわけにはいかない」という社長判断となった。
一方、羽田では初便で北九州に戻られる末吉興一・北九州市長を主賓とし、ご挨拶をいただいた後に、機体デザインなどを担当してくださったフラワーロボティクスのロボット「Posy」から花束贈呈、という式次第とした。
筆者自身もこの時、初めて末吉市長にスターフライヤーの構想をプレゼンした20枚足らずの企画書を片手に、就航の挨拶をさせていただいた。就航前に使っていた機関投資家向けの企画書が50枚を超えていたことを考えると、「随分簡単な書類で説得にうかがったんだなぁ」