2015年11月10日 11:00
カーエレクトロニクスの進化と未来 (79) 東京モーターショーで高成長を確信したクルマ用半導体の未来
ハイブリッドカーも、水素を燃料とする燃料電池車も、EVも電気モータで走るため、当然エレクトロニクスと半導体デバイスを多用する。ガソリンエンジン車でさえも点火に最適なタイミングを計算するためのECUを搭載しているが、電気を動力とする場合には、モータを回転させ、しかもその回転数を自由自在に制御するためのインバータ回路が必要となる。モータを120度ずつ回転させるための三相方式は、120度ごとに駆動するスイッチングトランジスタが必要とされ、そのパワートランジスタを駆動するためのドライバやマイコンも求められる。パワー半導体を使うため必然的にチップ面積は増大し、シリコンの使用量は格段に上がる。
軽乗用車相当の電気自動車「i-MiEV」をいち早く世に送りだしていた三菱自動車工業は、電気自動車のSUVをリリースした(図3)。1回の充電で400km走行できる。このためにリチウムイオンバッテリの電池容量を45kWhと日産の「リーフ」の約2倍に増やした。SUVとして4WDに相当させるため、前後に2台のモータを設置。
1個のモータで2輪を駆動する。これまでの電気自動車と同様、家庭に電力を供給することもできる。