2015年11月12日 09:00
はじめての無線組み込み機器設計 (3) 無線組込設計の課題と測定機器の種類
(1) EMIレシーバ
主にCISPRなどのEMI/EMCノイズ規制適合証明などの法規制評価の用途で、電波暗室内やシールドルーム内で使用され、周波数に対する電力値を測定します。広いダイナミック・レンジ、内部ノイズが少ない、QP(準尖頭値)検波機能があるなど、高精度・高性能の基準器的な測定器ですが、その分、測定速度は比較的遅く測定評価には多くの時間を要します。価格は500~1,500万円と高価な測定器です。
(2) スペアナ
無線組込機器設計では最も汎用的に使われる測定器で、周波数と電力の測定が主な用途ですが、空中線電力や、スプリアス(不要輻射)、隣接チャネル電力比(ACPR)などの法規制の測定機能がある製品もあり、デバッグ評価だけでなく、法規制評価の事前検証(プリ・コンプライアンス試験)にも使えます。スペアナには、旧来のスーパーヘテロダイン技術を使用したアナログ掃引型のスペアナと、FFT(高速フーリエ変換)の技術を使用したFFT方式のスペアナがありますが、どちらも価格は30~300万円と比較的安価です。
(3) シグナルアナライザ
主にデジタル無線通信のデバッグ評価に使われます。