私たちは、"お母さん"を背負って生きている!? - 劇作家・ペヤンヌマキさん
ただ、そのおかげで今みたいな作風の戯曲が書けるようになったのかもしれませんけど(笑)。
――そういうお母さまの態度が、父親像や男性観にも影響を与えたりは?
していると思います。「お父さんみたいな人とは結婚したくない」と漠然と思っていたのですが、悪口を言わなくて済むような人と結婚して幸せになるロールモデルを知らないんですよ、見てないから。「両親みたいな夫婦が理想です」と言える人が羨ましかったです。
父は上昇志向があってポジティブな人でしたが、外でいい人ぶって溜めたストレスを家族にぶつけるようなところがあって、物にあたるんです。反動で、そういう男の人は絶対選ばないようにしようと思っていたのに、気が付くと言葉の暴力を振るう人と付き合っていたり。
――でも、ペヤンヌさんご自身にも、そんなお父さまから受け継いだ性質があるわけですよね?
そうなんですよ。私は、褒められたくて努力するところや、外ヅラがよくて我慢するところ、カッとなったときの切れ方とかが父に似ていて。
母と一緒になって父の悪口を言っているときはいいんですが、つらいのは、そんな父の性質が自分にもあると気付いたとき。父に似ているポジティブな自分を、母に似ているネガティブな自分が、自己否定・自己嫌悪するようになっちゃったんです。