私たちは、"お母さん"を背負って生きている!? - 劇作家・ペヤンヌマキさん
それぞれ自分の生き方や、姉妹との関係の中に、色濃くお母さんの影響を受けてるんだけど、みんな「私はお母さんとは似ていない」と思いたがってるんです。
――それはおもしろそうですね。そもそも、今回初めて「家族」をテーマに選ばれたのはなぜですか。
家族って、他の人とはどうしても距離感や関係性が違う存在じゃないですか。そこに自分という人間性の根源が表れてしまうし、いつかは描きたいと思いつつも、実は怖くてずっと避けてきたテーマだったんです。でも、そろそろ描いてもいいタイミングなのかなと思って。
――ペヤンヌさんにとって、他人とは違う家族の特殊性って、たとえばどんなところでしょう?
私の場合、家族の前だと喜怒哀楽の沸点が低くなるというか、いきなり激怒したり号泣したり、感情をさらけ出してしまうんです。家族と接するときの自分が一番ブスだなあ、と思いますね。
家族とは、どうしても自他の境界線があいまいになって、相手を"個"として見れない部分がある気がして。自分と同じように相手も感じているだろうと思い込んでしまったり、自分の嫌な部分を相手の中に見つけて、いらだちをぶつけてしまったり。――まさに近親憎悪ですね。