2015年11月20日 17:01
富士フイルム「X-T10」+「XF16mmF1.4 R WR」 - ワンランク上の広角レンズで日常を撮る
ただ、そのボケにはややクセがあるので注意したい。というのも、背景の木もれ陽や点光源により、二線ボケの玉ボケが発生してしまうことがあるからだ。背景の条件によっては、四隅の流れも気になる。
これは絞り開放付近でのみ見られる傾向であり、ポートレートではこれらを逆手にとって演出とすることもある。普段の街中や室内では大きくボケて美しく感じられる背景を得られるので、撮影時に多少気を配ってあげると、レンズの良さを引き出せるだろう。
絞り開放値F1.4というスペックから、ボケのほうに目が行きがちだが、このレンズの魅力は自然かつ端正な描写力にあると思う。背景の美しさが際立つのも、ピント位置の精緻な描写あればこそ。画像で見ると若干過剰にも思われるシャープさだが、(富士フイルムが基準としているであろう)大判プリントにおいて、この高い解像感は心強い。
レンズ表面には「HT-EBC(High Transmittance Electron Beam Coating)」コーティングに加え、独自開発のナノGI(Gradient Index)コーティング技術を採用しているためか、逆光下でも効果的にフレアやゴーストを低減してくれる。