2015年12月2日 09:00
ARM TechCon 2015 - 新たに2種類の命令グループが定義された「ARMv8-M」を読み解く
といった売り方が可能であった。
ただやはりこれはわかりづらいと思ったのか、ARMv8-Mでは、新たにBaselineとMainlineという2種類の命令グループが定義された(Photo02)。少なくともこれで世代的には完全にARMv8-Mで統一されたことになる。ではこのARMv8-Mは後述するTrustZone以外になにが違うか? というのがPhoto03だ。
ハードウェア除算や、Compare and branch、排他アクセスなど随分さまざまな命令が追加された。Wide immediate movesでは16bitの即値のハンドリング命令(MOVW/MOVBT)が追加されるとか、排他アクセスではC11 atomic変数のサポート命令が追加されるなど、命令数的にも結構増えている。ただし、Compare and branchとか排他制御、ハードウェア除算などに関してはARMv7-Mではすでにサポートされていた内容である。
ちなみにここに出ていない項目として、サポートされる外部割込み数が増えるとか、デバッグ機能が拡充されているなどの機能もあり、またこれとは別に後述のPMSA v8やTrustZoneなども利用できるので、先の命令セットとあわせて、全体的に性能の底上げが図られているのが特徴だ。