くらし情報『X線天文衛星「ASTRO-H」がプレス公開 - 絶対温度0.05度を実現する冷却装置に大注目』

2015年12月2日 10:00

X線天文衛星「ASTRO-H」がプレス公開 - 絶対温度0.05度を実現する冷却装置に大注目

またネオンタンクより外側を担当した日本と、その内側を担当した米国の間のコミュニケーション不足も要因とされたため、今回は全ての設計会議に米国側も参加したそうだ。

なおSXSでは、仕組みもXRSから変更されており、ネオンは使わない。機械式の2段スターリング冷凍機(2ST)で20~30Kまで下げ、次にジュールトムソン冷凍機(JT)で4~5Kに冷却。液体ヘリウムで1.2K以下にして、ADRで最終的に0.05Kにまで下げる。すざくで実現した0.06Kは、宇宙空間で人工的に作り出された温度としては世界で最も低いものであったが、ASTRO-Hが計画通り0.05Kを達成すれば、記録の更新となる。

そのほか搭載する観測装置は、軟X線撮像検出器(SXI)、硬X線撮像検出器(HXI)、軟ガンマ線検出器(SGD)。衛星の打ち上げ時の高さは8mほどだが、HXIのために用意された硬X線望遠鏡(HXT)の焦点距離は12mもあるため、軌道上で伸展式のブームを展開。その先端にHXI×2台を置き、長い焦点距離を確保する。
このとき、衛星の全長は約14mにもなる。

打ち上げ日はまだ公表されていないが、近日中に種子島へ輸送されるという。

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