2015年12月3日 22:12
小惑星探査機「はやぶさ2」、地球スイングバイ後の機体の状態は「健全」
既報のように、宇宙航空研究開発機構(JAXA)の小惑星探査機「はやぶさ2」が12月3日19時8分、地球スイングバイを実施した。現時点で探査機の状態が健全であることは確認できており、JAXAは今後1週間程度かけて、計画通りの軌道に入れたかどうか確認するという。
「地球スイングバイが成功したかどうか」に注目が集まるだろうが、今回は惑星周回軌道への投入などと違い、エンジンを噴射するイベントではないので、地球に接近する飛行経路さえ正しければ、探査機に何があっても物理法則通りに飛行する。そういう意味では、11月3日と26日に行った2回の軌道制御(TCM1/2)ですでに勝負は決まっている。
おそらく注目すべきポイントとしては、今回、はやぶさ2が初めて日光が当たらない日陰に入るということだろう。はやぶさ2にとって電力は生命線。太陽電池パネルに日光が当たらないと発電できなくなってしまうため、はやぶさ2はリスクを避け、小惑星近傍でも日陰に入るような運用は行わない予定だ。
はやぶさ2にとって発電できなくなるということは"異常事態"のため、通常、このようなときはセーフモードに入るような仕組みになっている。