2015年12月7日 14:45
「あかつき」の噴射は成功、中村プロマネは「肩の荷が下りた」と安堵
あかつきは本来、5年前に周回軌道へ投入されているはずだった。中村プロマネは「本当は欧州の探査機と一緒に観測して、世界的に盛り上がっているはずだった。日本が責務を果たしていないという、忸怩たる想いがあった」と当時を振り返る。今回、5年前の雪辱を晴らせたことで、「肩の荷が下りた」と安堵の表情を見せた。
周回軌道へ入れば、次はいよいよ科学観測だ。記者会見前にすでに観測プログラムを探査機に送信したとのことで、午後2時から5時の間に、「中間赤外カメラ(LIR)」「紫外イメージャ(UVI)」「1μmカメラ(IR1)」を使い、撮影を行うという。最初の3カ月は試験期間で、本格的な観測は2016年4月から2年間実施する計画だ。
なお金星到着前に、これらのカメラで試験撮影を行ったところ、「傷は思ったより遙かに少なかった。
カメラの状態は非常に健全」(中村プロマネ)だったという。最初の観測データが届くのは2~3日後になる見込みだが、こちらも楽しみだ。
探査機の状態は、現時点で正常であることが確認できている。あかつきは打ち上げから5年半が経過。すでに設計寿命は超過しているが、5年前にメインエンジンが破損した以外は、特に問題は起きていない模様だ。