くらし情報『抱きしめてヴィーナス - 探査機「あかつき」、金星への帰還 (2) いかにして「あかつき」は金星への再挑戦にこぎつけたのか』

2015年12月8日 15:30

抱きしめてヴィーナス - 探査機「あかつき」、金星への帰還 (2) いかにして「あかつき」は金星への再挑戦にこぎつけたのか

「あかつき」は以前と同じ、太陽を周回する軌道にいた。

減速が足らなかったこということは、スラスターの噴射が途中で止まったということを意味していた。エンジンが壊れたのか、あるいは何か別の問題が起きてスラスターが自動停止することになったのか、この時点ではまだわからなかった。

ただ、まったく光明がないわけではなかった。事故後に「あかつき」が乗った軌道を計算すると、6年後に再び金星のそばを通過することがわかった。もしスラスターが生きていれば、再挑戦できるかもしれない。ただ、それを裏付けるものは、このときは何もなかった。

中村さんはこのときのことを「人間ってそういうときには藁にもすがるものですね」と振り返る。
単に「金星のそばをもう1回通るチャンスがある」という期待だけで、希望をつないだのだった。

○疑われたセラミック・スラスター

12月7日に何が起きたのかを調べるため、そして6年後に再挑戦ができるのかを知るため、事故原因を解明すべく調査が始まった。真っ先に疑われたのは、新開発のセラミック・スラスターだった。

「あかつき」にはいくつかの新しい技術が投入されていたが、その中でも最も大きなものがセラミック・スラスターだった。

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