東北大、小胞「メラノソーム」上にタンパク質送り届けられる新技術を開発
2つ目は、MSTを融合したタンパク質分子がメラノソームに局在化することを確認したこと。例えば、別の細胞内小器官「初期エンドソーム」に局在するRab5Aという分子にMSTタグを融合すると、MST-Rab5Aはメラノソーム上に局在するという具合だ(画像5)。
画像5は、MSTタグを融合したRab5Aのメラノソームへの局在化をとらえた顕微鏡画像。Rab5Aは初期エンドソームに局在する分子だが(中段)、この分子の脂質化修飾部位を外しMSTタグを画像2のように融合させると、メラノソーム上に局在化することが可能だ(下段)。
挿入図は四角の部分の拡大図で、右列の重ね合わせの図ではメラノソームが緑色の疑似カラーで示されている。初期エンドソームとメラノソームは別個の細胞小器官のため、Rab5A(赤)とメラノソーム(緑)のシグナルはまったく重ならない(中段)。一方、MST-Rab5A(赤)はメラノソーム(緑)上に局在するのが確認可能だ。
3つ目は、「Q78L」のアミノ酸変異を持つ低分子量Gタンパク質「Rab27A」分子はメラノソームに局在化することができず、メラノソームの輸送障害を引き起こす(色素異常の症状を示す「グリセリ症候群」