2015年12月22日 09:30
日本酒の定期購入サイトSAKELIFEはなぜ伸びる? -「居酒屋チェーンの日本酒を飲んだとき『これチャンスだ』と思った」
値下げでアピールするのが難しい。しかし、定期購入スタイルならば、価格だけで選ばれることがありませんからね」。
加えて理由はもうひとつあった。単に酒を送るだけではなく、毎月定期的に「日本酒の楽しみ方」を伝えるコミュニケーションを提供できることだ。
「この『楽しみ方の提供』こそが、日本酒を売るためには不可欠だと思った。実はそれは僕が店で親父の姿を見ていて感じたことでもあったんですよ……」。
●ヒントは代々続いた実店舗にあった
実は、高橋さんは千葉県香取市で室町時代から続く老舗酒販店「油忠」の25代目店主。大学卒業後、経営の勉強を経て、父親の家業を引き継いだ。
その際に「SAKELIFE」を立ち上げた。
「だから子どもの頃から店にはよく出ていて、そこで、父とお客さんとのやりとりをもう毎日のように聞いていたんですよね」。
「このあいだ買った酒、おいしかったよ。同じ蔵元で別のはない?」
「いまちょっと切れているんだけど…これなんかうまいよ」
「今日はしゃぶしゃぶなんだけど、あう日本酒って何かね?」
「ああ、それなら三重のあれがいいかな」
こんな店主との雑談や試飲を楽しんでから、お客はようやく購入に至っていた。