くらし情報『インバウンド観光客を「虜」にする日本の“文化財ランドマーク”【前編】』

2015年12月24日 09:00

インバウンド観光客を「虜」にする日本の“文化財ランドマーク”【前編】

バラバラの部材になった状態で国宝指定を受けることは考えにくい。また、解体修理は1955年(昭和30年)に完了するものの、国宝指定を受けるのに壁が立ちはだかる。同じ複合型天守として、すでに彦根城が国宝指定を受けていたからだ。

文化庁の上野勝久氏によると、天守は「独立式」「複合式」「連結式」「連立式」の4類型に分類されるという。当時、独立式の国宝天守として犬山城、複合式の国宝天守として彦根城、連結式の国宝天守として松本城、連立式の国宝天守として姫路城がそれぞれ指定されていた。「4つの類型でそれぞれ国宝天守が決まっていたので、解体修理が完了しても、松江城は国宝指定にいたらなかったのではないか」と上野氏はみる。

だがここ数年、文化庁は国宝や重要文化財指定の答申を加速させている。「学術研究が進み、新たな知見が発見されたものは審議会で諮られ、文化財指定を受けることがある」(上野氏)という。


松江城にとって“新たな知見”とは、天守閣築城を祝う祈祷札が発見されたこと。この札により松江城天守閣の落成時期が慶長16年(1611年)ごろと特定され、国宝指定に大きく舵を切った。松浦正敬松江市長は「松江開府400年を迎え、市史編纂のための史料集めの際に、偶然に祈祷札が見つかった。

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