2015年12月24日 09:00
インバウンド観光客を「虜」にする日本の“文化財ランドマーク”【前編】
国宝指定後も松江城の研究調査を進めていく」とした。ちなみに松浦市長は、松江城の国宝化運動を公約のひとつに掲げていた。それだけに今回の国宝指定は、市長にとって、いや市民の方々にとっても、感慨ひとしおだろう。
●天守の国宝化が新たな客を呼び込む
さて、満を持して国宝化された松江城だが、それを機に観光産業を活性化させたいというのが松江市の本音だろう。
○登閣者が約1.3倍に増える
実際に松江城を訪れてみると、平日にもかかわらずなかなかの賑わいをみせていた。事実、松江城の管理関係者によると「国宝化前に比べ、約1.3倍の登閣者数」があるという。昨年は、27万人以上が松江城を訪れているが、それを考えると今年は35万人を超すのではないだろうか。
国宝化を機に松江城を訪れる歴史ファンが増えたのはもちろんだが、インバウンド観光客の存在が大きい。
来城者を目視したり、会話に耳を傾けたりしてみると、2~3割が外国人だと見受けられた。
城郭の外を散策しても、外国人とすれ違う機会は多く、中には掘り割りの水面を走る和船を興奮気味に撮影している集団もみられた。確認はしていないが、和船に乗って「堀川めぐり」を楽しむインバウンド観光客も相当にいることだろう。