2015年12月28日 12:19
スマートロックは日本で普及するか? その課題と未来
合鍵の発行や入退室管理は個人ユーザーにとっても、便利な機能だが、新たにコストをかける必要があるのか、と考えると悩むところ。まだ製品の存在を把握していない消費者より、スマートロックの機能を必要としている業界を狙うのはビジネスとして現実的な話だ。
BtoBに主眼を置く理由には、もうひとつ大きな問題がある。それは、IoT製品はインターネットにつながり続け、サーバーの維持費用が継続して発生するためだ。IoT製品は製品を売ったら終わりではなく、継続して費用を取ることを考えないといけない。ライナフの滝沢潔代表は「利用者2000人につきサポート担当者を1人つけるとして、そこにサーバーの維持費用も加わります。サービスが大きくなったら月額何百万というスケール感です」と説明する。
購買層とサーバーの維持費用の問題。
一般消費者に月額課金モデルを課すのは現実的ではない。折り合いをつけながら、利益の拡大を狙おうとすると、BtoCではなく、BtoBに注力するのは、自然のことといえるだろう。では、スマートロックを取扱う3社は、どの市場を狙うのか。"普及"という観点から見たときに、市場が大きいホテル・旅館、不動産賃貸分野へのてこ入れが欠かせそうにないが、現状はどうなのか。