(中略)では、新しい消費者と向き合っていくうえで、カギになるものは何か。私はそれが『ブランド』であると思います。(中略)ブランドによって消費者との絆が生まれれば、商品に特別な意味が与えられ、新機能や安売りに頼らなくても、ほかの商品との差別化が実現できるようになります。つまり、絆を感じ、そのブランドのファンになった人にとっては、そのブランドの商品は『特別なもの』であり、容易に『ほかの商品では替えられない価値』を抱くようになるのです。」(本書より引用)
そしてトークイベントでは、本の中でも紹介されているトヨタレクサスのブランディング戦略を例として、今後日本のブランドが世界で戦っていくためのヒントを探っていった。
○レクサスはなぜブランド戦略を変更したのか?
レクサスは、1989年より米国内での展開が開始されたトヨタ自動車の高級ブランドで、当初は海外専用ブランドだったが、2005年からは国内での販売も開始された。
高田敦史氏が所属するLexus Internationalは、2012年に設立されたレクサスのためのトヨタの社内カンパニーだ。レクサスブランドマネジメント部は、それまで各国でバラバラに行っていたマーケティング活動を、グローバルで統合的に行う部署だという。