特に数段階以上と深い階層を用いるニューラルネットワークを使った学習を「ディープラーニング」(深層学習)と呼ぶようになり、これがそれまでの限定的な浅い階層しか持たない人工知能との決定的な差を生むことになった。
●ディープラーニングの利点
○ディープラーニングの何がすごいのか
ディープラーニングは、それまでの機械学習を発展させたものだ。機械学習では、コンピュータに入力するデータの中から、解析に役立ちそうな特徴を抽出するための仕組みに人の手が介在した。ところがディープラーニングでは、こうした特徴抽出すらも処理の中に含まれており、特徴の選択も機械が学習する。人間は最小限の下処理をしたデータを人工知能に与えてやるだけでいい。
たとえば10万枚の写真の中から「猫」の映った画像だけを探す場合、従来の手段では猫っぽい特徴のあるデータをあらかじめいくつか用意しておき、その部分を指定しておくと、機械がその特徴に似た部分を探してくれるというものだった。
これがディープラーニングだと、与えられた写真を精査し、「これは猫っぽいのではないか」という答えを機械が人間に示してくる。それに対して人間が評価を与えると、その評価をもとに再度データを調べ直す、という手法で精度が徐々に高まっていく。