2016年2月16日 12:00
兼業まんがクリエイター・カレー沢薫の日常と退廃 (50) 兼業漫画家が語る「健康法」と「クソゲー」
である。
発熱やめまいを覚えるが、これは断じて病気ではないということにする健康法である。病気でなければ仕事はできる。確かに立っていられないほどのめまいを覚えるが、原稿は立ってやる必要はないので、いつも通り原稿を描くのである。もちろん病院になど行かない。そんなところへ行ったら病名がついてしまい「病気じゃない法」が使えなくなる。一番やってはいけないことだ。
最終的に死ぬにしても、その過程を楽しい物にしたいと思って生きていたはずが、これらの「健康法」を実践した結果として、楽しくない物の代表格である仕事を最優先した上に死期まで早めるという、ただでさえクソゲーなものを、高タイム・低スコアクリアしてしまうことになるのだが、日本には作家のみならず、こういうプレイヤーが数多く存在すると思う。
そして私自身は、極限状態に類するような無理をしたことはない。健康体の時の絵と40度の高熱がある状態で描いた絵の質がほとんど変わらないという安定した低クオリティのため、多少の熱があっても休みはしないが、徹夜はしたことがない。
しかし、徹夜しなければ間に合わないという状況になれば、やはりしてしまうと思う。なぜなら「期日を守れない」