大学デビューの落とし穴 (22) 2月:自分なりの先輩像を模索するためのブックガイド
しかし、それを直視することがイケてる男子への道だとも思います。モテ自慢やエロトークではなく、自分たちの弱さやダメさについて語り合うボーイズトークをぜひ!
○可笑しくも哀しい人間賛歌! いましろたかし『初期のいましろたかし―ハーツ&マインズ+ザ★ライトスタッフ』(小学館)
最後の一冊は思いっきり私の趣味なのですが、マンガ家・いましろたかしさんの初期作品集をぜひオススメしたいと思います。
ここに登場するのは、生き方のヘタクソな人ばかり。誠実に生きているのにまったくモテない、一生懸命働いているのに非正規雇用で未来が見えない、頑張って勉強しているのに公務員試験に受からない……。そのまっすぐで不器用な生き様が可笑しくも哀しくて、心の琴線と笑いのツボを一気に刺激してきます。
いましろ作品には、浮ついた消費社会への批判精神が根づいています。その中で翻弄されながら生きる人間たちを描きながら、社会の不条理をえぐり出していきます。これが描かれたのは90年代ですが、現在にも十二分に通じる内容だと感じます。
いましろマンガを読めば、人にも自分にも優しくなれるような気がします。とにかくとんでもなくおもしろいマンガなので、騙されたと思って読んでみてください!
……以上5冊です。