『キル・ビル』コンビ再び! - 『ヘイトフル・エイト』美術の舞台裏を種田陽平が語る
同作の世界そのものともいえるロッジを作り上げたのが種田氏である。『キル・ビル』以来となるタランティーノ×種田コンビはいかにして実現したのか。そして種田氏は『ヘイトフル・エイト』の世界をどのように構築していったのか。種田氏に制作の舞台裏を聞いた。
――タランティーノ監督とお仕事をされるのは『キル・ビル』以来ですよね。今回、どのような形で依頼がきたのですか?
種田:話がきたのは2014年の8月だったかな。『ヘイトフル・エイト』のプロデューサーから電話があったんです。クエンティンが今作の美術監督を僕に頼みたいと言っていると。
普通はメールで話がくるんですが、電話でしたね。スケジュールを確認して、OKしました。
ちょうど『思い出のマーニー』が終わったところだったのでいいタイミングだったんです。ただ、クエンティンが僕に頼みたいと希望しても、そう簡単にはいかなくて。というのも、ハリウッドは基本的にコンペ方式で美術監督を決めるからなんですよ。
――えっ、監督本人が指名しているのに、それでもコンペをするんですか?
種田:そうなんです。特に僕のような海外の人間が美術監督――プロダクトデザイナーとして入ることはさまざまな制限があるんです。