『キル・ビル』コンビ再び! - 『ヘイトフル・エイト』美術の舞台裏を種田陽平が語る
ハリウッドメジャーには業界団体であるユニオンがあって、基本的によそ者が入り込んで美術監督をすることはできないんですよ。
――『キル・ビル』のときは?
種田:あれはノンユニオンの映画でしたから。それに撮影場所が中国や日本だったから大丈夫だったみたいです。アメリカだとダメだったでしょうね。ただ、それでもクレジットにユニオン以外の人間の名前が入ると、プロデューサーがユニオンに呼び出されて事情を説明しないといけないみたいですよ。
――そんな裏話があったとは……。
種田:だから、監督が「この人とやりたい」と言っても、ユニオンだとコンペ方式になるので、プロデューサーが何人か用意するんですね。
ところがタランティーノ監督の場合はちょっと違って、ぜんぶ彼が決めるんです。
プロデューサーの権限はなくて、ぜんぶタランティーノ監督が決める(笑)。
――タランティーノ監督のイメージ通りです(笑)。
種田:だから僕に声をかけてもらったときも、一応面接はするから、台本を読んでイメージ画を描いて持ってきてほしいと言われました。その台本がまた難しかった。
というのは今回、セリフも多いし、登場人物の位置関係が難しいんですね。