クエンティン・タランティーノ監督のデビュー作『レザボア・ドッグス デジタルリマスター版』より、冒頭シーンが公開された。公開されたのは映画冒頭3分間のシーン。LAにあるダイナーの円卓に集った6人の犯罪プロフェッショナル。各々Mr.ホワイト、Mr.オレンジなどと本名ではなく色の名前で呼び合っており、銀行強盗計画でも始めるような只ならぬ雰囲気だ。しかし展開されるのはマドンナの名曲「Like a Virgin」に関する各々の解釈論だった。「歌全部が巨根の暗示だ」と言い張るMr.ブラウンに対して「いや、違う。傷つきやすい女の歌だ」と反論するMr.ブロンド。物語の本筋とは全く関係が無い約7分間の会話シーンは、公開当時、大胆かつ斬新な演出だとして観客を驚愕させた。そのほか、突如始まる凄まじいアクション&バイオレンスシーンなど、タランティーノのトレードマークとも言えるオリジナリティはこの時すでに完成されている。因みに、マドンナは「あの歌は巨根の話ではなく、純粋な愛の歌よ」というメッセージを書いたアルバムをタランティーノに贈ったと言われる。併せて、オダギリジョー、津田健次郎、阪元裕吾ら著名人からのコメントも到着。俳優・オダギリジョーは「いまさら何も言う事はない。今はただ、これをスクリーンで観られる幸せを喜ぶだけ」。声優の枠に留まらずエンターテインメントの最前線で活躍する津田健次郎は「タランティーノが放った最初の矢が時を超えて劇場で観られる。なんという幸福」と30年ぶりの劇場公開への花向けのコメントも。映画『ベイビーわるきゅーれ』シリーズの阪元裕吾監督は「思春期真っ只中のボクはわかりやすくハマり、高校生の時に入った演劇部で「高校生版レザボア・ドッグスもどき」のような脚本を書いて顧問や当時の部長に酷評されたという苦い思い出がある作品です」、13人組アイドルグループ「GANG PARADE」のメンバー・テラシマユウカは「無駄話に詰め込まれたロマンと、短時間に濃縮されたセンス。聞き飽きることのない好きな言葉の掛け合いに永遠と浸っていたいと願いながらも、既に完成されているタランティーノの"色"に、嫉妬した記憶さえある」と作品との衝撃の出会いを振り返っている。さらに、Mr.ホワイト、Mr.ブロンド、Mr.オレンジ、Mr.ピンク、Mr.ブルー、Mr.ブラウン、6名のそれぞれの色に染まったキャラクタービジュアルも公開された。<コメント全文>■オダギリジョー(俳優)いまさら何も言う事はない。今はただ、これをスクリーンで観られる幸せを喜ぶだけ。■津田健次郎(声優・俳優)ある日突然映画に新しい言語が現れた。その衝撃。『レザボア・ドッグス』がデジタルリマスターで劇場で蘇る。タランティーノが放った最初の矢が時を超えて劇場で観られる。なんという幸福。■阪元裕吾(映画監督)『レザボア・ドッグス』を初めて観たのは中学3年生。思春期真っ只中のボクはわかりやすくハマり、高校生の時に入った演劇部で「高校生版レザボア・ドッグスもどき」のような脚本を書いて顧問や当時の部長に酷評されたという苦い思い出がある作品です。それ以来見る機会はなかったのですが久々に見返したらやっぱり大好きな作品!映画に出てくる男と言えば、暴力と破滅!今の人が見てもは全くわけがわからん固有名詞ネタ会話劇も、逆にキャラクターの刹那性を高めてますね!ぜひ劇場で見てください!■テラシマユウカ(GANG PARADE)無駄話に詰め込まれたロマンと、短時間に濃縮されたセンス。聞き飽きることのない好きな言葉の掛け合いに永遠と浸っていたいと願いながらも、既に完成されているタランティーノの"色"に、嫉妬した記憶さえある。初めて映画館で聴くオープニングの音の輪郭の気持ちよさに血が滾る気配がした。『レザボア・ドッグス デジタルリマスター版』冒頭シーン<作品情報>『レザボア・ドッグス デジタルリマスター版』2024年1月5日(金) 公開公式HP: Dog Eat Dog Productions, Inc. All Rights Reserved.
2023年12月14日イーライ・ロス監督最新作『サンクスギビング』のファン・スクリーニングが現地時間11月14日、米・ロサンゼルスにあるビスタ・シアターで行われた。クエンティン・タランティーノ監督とロバート・ロドリゲス監督がタッグを組み、映画本編2本と実在しない映画の予告編5本という構成で2007年に公開されたホラー映画『グラインドハウス』。同作でロス監督はフェイク予告編『感謝祭(Thanksgiving)』を手掛けており、本作はそのフェイク予告編を自らの手で16年ぶりに長編映画化した作品となる。今回会場となったビスタ・シアターは1923年にオープンした老舗の映画館で、タランティーノ脚本&トニー・スコット監督による映画『トゥルー・ロマンス』に登場することでも有名な場所だ。2021年にクエンティン・タランティーノが購入し、改装を経て11月17日に再オープン予定。再オープン後の初の興行作品が『サンクスギビング』の35mm上映、11月22日からはリドリー・スコット監督、ホアキン・フェニックス主演の『ナポレオン』の70mm上映となっている。ファン・スクリーニングに登場したのは、イーライ・ロス監督はじめ、本作の脚本・製作であり『グラインドハウス』のフェイク予告編『感謝祭(Thanksgiving)』でも脚本・出演を務めたジェフ・レンデルのほか、キャストのアディソン・レイ、マイロ・マンハイム、ジェイレン・トーマス・ブルックス、ネル・ヴェルラーク、リック・ホフマンも登場。にこやかな笑顔でフォトセッションも行われた。さらに会場には、『グラインドハウス』のフェイク予告編の1本である『Don’t/ドント』を手掛けたエドガー・ライト監督も駆けつけた。イーライ・ロス監督はタランティーノ監督の映画館で本作が上映されることに対し「この瞬間は大きな意味を持ちます。クエンティンからビスタ・シアターのことは年々も聞いてきました。そして時が経ち、その最初の上映作品がこの『サンクスギビング』になることは非常にエモいです。まるで夢のようです。こんなことができるのはクエンティンだけです。彼は友達以上の存在です。彼は兄弟であり、死ぬほど彼のことを愛しています!!!」と、ほとばしる熱い思いを語った。『サンクスギビング』12月29日(金)公開
2023年11月17日2021年、クエンティン・タランティーノ監督がロサンゼルスのロスフェリスにある老舗映画館「ヴィスタ・シアター」を購入した。改装のためしばらく営業停止していたが、いよいよ11月17日に再オープンするという。11月11日にはお披露目とヴィスタ・シアターの100周年祝いを兼ねた特別上映会を開催。司会を務めるタランティーノ監督の代表作『トゥルー・ロマンス』を35mmフィルムで上映する。1993年に製作され、クリスチャン・スレーター&パトリシア・アークエットが主演した同作には、ヴィスタ・シアターで撮影されたシーンがある。チケットはすでに完売。観客にはソフトドリンクと記念容器に入ったポップコーンが上映前に配られる。「チケット、買えなかったよ!」「すぐ完売だった」「チケットを予約するウェブサイトがクラッシュしていたよ?」と、映画ファンのコメントによるとチケットの争奪戦が繰り広げられたことがうかがえる。再オープン後は17日からイーライ・ロス監督の『サンクスギビング』(35mm)、22日からリドリー・スコット監督の『ナポレオン』(70mm)がレギュラー作品として上映される。ヴィスタ・シアターには「コフィー」という名のカフェも併設。タランティーノ監督作『ジャッキー・ブラウン』に影響を与えたパム・グリア主演作『コフィー』にちなんでつけられたという。パムは『ジャッキー・ブラウン』の主演俳優でもある。(賀来比呂美)
2023年11月08日クエンティン・タランティーノの映画『レザボア・ドッグス』が、約30年ぶりに劇場公開。映画『レザボア・ドッグス デジタルリマスター版』として、2024年1月5日(金)より、新宿ピカデリーほかにて全国公開される。クライム・バイオレンスの名作映画『レザボア・ドッグス』映画『レザボア・ドッグス』は、当時若干28歳だったクエンティン・タランティーノのデビュー作であり、クライム・バイオレンスの名作映画。日本では、1993年4月24日に初公開された。物語で描かれるのは、宝石強盗のために集められた、互いの素性を知らずコードネームで呼び合う6人の犯罪プロフェッショナル。完璧な犯罪計画のはずだったが、強盗は失敗。大勢の警官が待ち伏せており、警察との激しい銃撃戦となったことから生き残った者たちは“誰かにはめられた”と疑心暗鬼に駆られていく。登場人物ジョー…ローレンス・ティアニー裏社会の大物。互いの素性を知らずコードネームとして「色」を使って互いを呼び合う6人の犯罪プロフェッショナルを集め、宝飾店強盗計画を企てる。エディ…クリス・ペンジョーの息子。Mr.ホワイト…ハーヴェイ・カイテルジョーの古い友人。犯罪プロフェッショナルの一人。Mr.ブロンド…マイケル・マドセン出所したばかりのサイコ男。Mr.オレンジ…ティム・ロス肝の座った泥棒。警察との激しい銃撃戦の末、撃たれてしまう。Mr.ピンク…スティーブ・ブシェミ独特な信念を持った男。Mr.ブルー…エディ・バンカー無口な男。Mr.ブラウン…クエンティン・タランティーノ饒舌な男。デジタルリマスターを経て劇場再公開へそんな『レザボア・ドッグス』が、デジタルリマスター版で待望の劇場再公開へ。血で血を洗う惨劇へと発展していくストーリーラインはもちろん、黒スーツに身を包んだ“ヤバい連中”が並び歩くオープニングシーンや、主題歌であるジョージ・ベイカーの「リトル・グリーン・バッグ」にも注目だ。タランティーノのデビュー作にして傑作に『レザボア・ドッグス』は、クエンティン・タランティーノのデビュー作でありながら、タランティーノならではのオリジナリティを随所に感じられるのもポイント。時間軸を超えた展開や、ストーリーとは関係のない長回しの会話など、タランティーノ映画独自の手法がすでに完成されていることが見て取れる。尚、クエンティン・タランティーノは、『レザボア・ドッグス』制作当時はまだ無名であり、数本の脚本を執筆したことがあるだけに過ぎなかった。しかし、のちの盟友ローレンス・ベンダーと、『断絶』で知られる巨匠モンテ・ヘルマンが『レザボア・ドッグス』の凄まじい脚本に感銘を受けたことから、製作に名乗りを挙げる。また、主演のハーヴェイ・カイテルは出演のみならず、資金面やキャスティングを援助し、ティム・ロス、マイケル・マドセン、スティーヴ・ブシェミといった個性派俳優たちが集結することとなった。斬新な構成、過激なバイオレンス描写が話題に1992年サンダンス映画祭で初めて上映されると、過去に類を見ない斬新な構成と過激なバイオレンス描写が話題に。絶賛の声は衝撃と共に世界中に広まり、カナダのトロント、スウェーデンのストックホルム、スペインのシチェスと数々の映画祭に出品され、世界各国で最優秀賞やグランプリなど受賞を果たした。特に、フランスのカンヌ国際映画祭では、上映前からポスターやチケットで「心臓の弱い方はご遠慮ください」というステッカーが注目を集め、いざ上映が始まると途中退場の観客が続出したという。【作品詳細】映画『レザボア・ドッグス デジタルリマスター版』公開日:2024年1月5日(金)新宿ピカデリーほか全国公開監督・脚本:クエンティン・タランティーノプロデューサー:ローレンス・ベンダー製作総指揮:リチャード・N・グラッドスタイン、ロンナ・B・ウォーレス、モンテ・ヘルマン共同プロデューサー:ハーヴェイ・カイテル出演:ハーヴェイ・カイテル、ティム・ロス、マイケル・マドセン、クリストファー・ペン、スティーヴ・ブシェミ、ローレンス・ティアニー、カーク・バルツ、エディ・バンカー、クエンティン・タランティーノ原題:RESERVOIR DOGS配給:鈴正、フラッグ
2023年08月28日世界に衝撃を与え、映画史を変えたクエンティン・タランティーノ監督のデビュー作『レザボア・ドッグス』のデジタルリマスター版が、2024年1月5日(金)より30年ぶりの正式公開決定。特報映像が解禁された。『レザボア・ドッグス』は、1992年サンダンス映画祭で初めて上映され、過去に類を見ない斬新な構成と過激なバイオレンス描写が注目の的となり圧倒的な絶賛を受けた。その後、絶賛の声は衝撃と共に世界中に広まり、カナダのトロント、スウェーデンのストックホルム、スペインのシチェスと映画祭に出品される度に注目を浴び、世界各国で最優秀賞やグランプリなど数々の賞を受賞。なかでもフランスのカンヌ国際映画祭では、上映前からポスターやチケットに貼られた「心臓の弱い方はご遠慮ください」というステッカーが否応なしに目を引き、いざ上映されると途中退場の観客が続出すると同時に、最大の話題をさらった。クエンティン・タランティーノ監督本作の監督はクエンティン・タランティーノ。いまでは誰もが知るアカデミー賞受賞監督となった彼だが、本作製作時は28歳、脚本を数本執筆しただけ、全く監督への道筋は見えていなかった時期。しかし、『レザボア・ドッグス』はその状況を一変させる。本作の凄まじい脚本に感銘を受けた、のちの盟友ローレンス・ベンダーと『断絶』で知られる巨匠モンテ・ヘルマンが製作に名乗りを挙げ、主演のハーヴェイ・カイテルは出演のみならず、資金面やキャスティングを援助。結果、ティム・ロス、マイケル・マドセン、スティーヴ・ブシェミら強烈な個性派俳優たちが出演を快諾し、あっと言う間に“掃き溜めの犬たち”が結成されることとなった。そして無名だったタランティーノの念願のデビュー作には、監督の全てが込められている。時間軸を超えた展開、ストーリーとは関係のない長回しの会話など、タランティーノ映画と謳われる唯一無二のオリジナリティはこの時すでに完成されている。宝石強盗のために集められた、互いの素性を知らずコードネームで呼び合う6人の犯罪プロフェッショナル。完璧な計画のはずだったが、大勢の警官が待ち伏せていた。仲間の中に裏切り者がいるのか?それは誰?生き残った者たちは疑心暗鬼に駆られ、やがて血で血を洗う惨劇へと突き進んでいく。今回解禁された特報では、その代名詞ともいえるオープニングシーンを公開。黒スーツに身を包み、ヤバい連中が並び歩く。また背後に流れるジョージ・ベイカーの「リトル・グリーン・バッグ」は、本作を知らない人でも一度は必ず耳にしたことがあるはずだ。本作の日本初公開は1993年4月24日。30年経ったいまでも、映画史に燦然と輝き、熱狂的に支持され、新たなファンを生み出し続けているクライム・バイオレンスの最高傑作は、2022年に完成したばかりのデジタルリマスター版で劇場再公開される。『レザボア・ドッグス デジタルリマスター版』は2024年1月5日(金)より新宿ピカデリーほか全国にて公開。(シネマカフェ編集部)
2023年08月25日映画『クエンティン・タランティーノ映画に愛された男』の本編映像が公開された。本作は、奇才クエンティン・タランティーノの頭と心の中を出演俳優たちが暴くドキュメンタリー。『6才のボクが、大人になるまで。』のリチャード・リンクレイター監督のドキュメンタリー映画でも高く評価されたタラ・ウッドがメガホンを取った。このたび公開されたのは、“レッド・アップル”という名前のタバコや、『パルプ・フィクション』の中でサミュエル・L・ジャクソン演じるギャングが「うまいバーガーだ」と言いながら頬張る“ビッグ・カフナ・バーガー”など、タランティーノが自ら考案した数々のオリジナル製品が登場する本編映像。タランティーノ作品の常連であるティム・ロスが、「自分で考えた製品を監督作で使っていた。レッド・アップルやカフナ・バーガーはあの時に生まれたものだ」と、自分の映画にオリジナル商品を度々登場させるタランティーノの手の込んだユーモアを紹介している。また「『ヘイトフル・エイト』の一場面でバーに立つデミアン・ビチルがレッド・アップルを吸っている。こんな感じでね“うん これはうまい”。みんな怒ったよ。僕たちもやりたかった。彼だけいいとこ取りだ」と、憧れの“レッド・アップル”をうまそうに吸うオイシイ役を演じた共演者への嫉妬心を覗かせつつ、楽しそうに撮影当時の現場の様子を語っている。映画『クエンティン・タランティーノ映画に愛された男』本編映像<作品情報>映画『クエンティン・タランティーノ映画に愛された男』8月11日(金・祝) 公開公式サイト: Wood Entertainment
2023年08月04日出演俳優たちの証言から奇才監督の内面に迫るドキュメンタリー『クエンティン・タランティーノ 映画に愛された男』より、タランティーノ監督作9作品についての解説が到着した。「長編映画を10本撮ったら、映画監督を引退する」と公言しているタランティーノ監督だが、現在10作目の製作が進んでいる。これまでの9作品について改めておさらいしつつ、本作で触れられているエピソードとともに紹介する。1『レザボア・ドッグス』(1992年製作)犯罪都市、ロサンゼルス。この街にブラック・スーツ、ブラック・タイ、真っ黒なサングラスに身を包んだ6人の男たちが集まって来た。彼らは、犯罪プロフェッショナルのジョーと、その息子ナイスガイ・エディから、大掛かりな宝石強盗の仕事を持ち掛けられてやって来たのである。それぞれにMr.ホワイト、Mr.ピンク等のコードネームが付けられ、お互いの名前も素姓も知らぬまま、彼らは“宝石強盗”という目的のために固い絆で結ばれた。周到に練られた計画は、非の打ち所がないように思われた。しかし、宝石店には警察が待ち伏せていた。必死の逃亡の末、ある者は傷つき、ある者は銃弾に倒れた。アジトに辿り着いた者たちも、次第に疑心暗鬼に駆られ、やがてそれは血で血を洗う惨劇へと変貌していく。裏切り者は誰なのか!?本作では、低予算だったため衣装の黒いスーツは自前だったことが明かされ、さらにはスーツのズボンでなく黒ジーンズを履いている人物もいたことが証言されている。2『パルプ・フィクション』(1994年製作)“パルプ”とは30年代にアメリカで流行した低級犯罪小説を意味する言葉、映画は三文雑誌のように3つの物語が交錯してクライマックスまで突っ走る。【1】たった一晩、ボスの妻のお供を命じられたギャングがクラブで夜遊び、いいムードになった矢先、ドラッグのやり過ぎで倒れた妻…。【2】マフィアのボスから八百長を持ちかけられたボクサーが恋人との甘い生活を夢見て、一世一代の大博打!八百長破りを敢行し一旦は逃げだすが、父の形見の時計を置き忘れ、マフィアの元へ戻るはめに…。【3】騙しとられたスーツケースをとり戻しにいったギャング二人組。ケースはとり戻したが、車中で別の仲間を殺してしまう。死体処理に困った2人は嫌がる友人宅から助けを呼ぶと、やたらと怖い“死体掃除屋”がやって来て…。次第にドラマは、巧妙に計算された輸の中に組み込まれていく。本作では、ジョン・トラヴォルタが演じた役は別のある役者のために書かれたものだったと暴露されている。3『ジャッキー・ブラウン』(1997年製作)メキシコの航空会社に勤めるスチュワーデスのジャッキーは、生活苦のため裏では武器商人オデールの運び屋をやっていた。ある時、ジャッキーはオデールを追っていた連邦捜査官のレイに逮捕されてしまう。レイからオデール逮捕に協力するよう持ち掛けられるジャッキーだったが取引には応じないまま保釈される。ジャッキーは、親しくなった保釈金融業者のマックスと共に捜査官に協力する素振りを見せながら、オデールの隠し金を横取りしようと企んでいた。本作では、主人公のジャッキー役にパム・グリアが決まることになった意外な秘話が明かされている。4『キル・ビル』『キル・ビル Vol.2』(2003年/2004年製作)ひとりの女が、長い長い眠りから奇跡的に目を覚ます。彼女は通称“ザ・ブライド”。世界を震撼させた毒ヘビ暗殺団(DiVAS)で最強と言われたエージェントだった女。彼女は全てを思い出す。あの、4年前の惨劇の全てを…。彼女は自分の結婚式の最中に、かつてのボス、ビルに殺されたのだ。ビルは手下と共に参列者を惨殺し、ザ・ブライドの頭を打ち抜いた。こうして彼女は全てを失った。友人も夫も、お腹の中に宿っていた子どもまでも…。そして一命をとりとめたものの、4年もの間、昏睡状態に陥っていたのだ。目覚めたザ・ブライドには「復讐」の2文字しかなかった。自分を不幸のどん底に突き落とした、全ての人間を血祭りにあげなくては。復讐は、神が彼女に与えた運命なのだ。ザ・ブライドはたったひとりで闘いの旅に出る。世界を股にかけた、長く、そして壮絶なる復讐の旅に…。本作では、キル・ビル撮影中に起きたユマ・サーマンの交通事故の映像も切り取られている。5『デス・プルーフ in グラインドハウス』(2007年製作)テキサスの夕暮れ時。オースティンのラジオ局で一番の人気DJジャングル・ジュリアは親友のシャナ、久しぶりに地元に戻ってきた大学時代の女友達アーリーンと一緒に街へ繰り出し、一夜の気晴らしをすることに。そこにはお気に入りのバー、グエロスからテキサス・チリ・パーラーへとはしごする彼女たちを密かにつけている男の影が。ドクロマークの付いた不気味なシボレーを乗り回し、顔に傷痕のある謎の中年男、スタントマン・マイクだ。ジュリアたち3人や、バーに居合わせたパムは、会話するうちにこの男への警戒心をゆるめていく。しかし、パムを送るために車に乗せた彼は突如、恐るべき豹変を遂げる!14か月後。テネシー州で映画撮影に携わっている、スタントウーマンのキムとゾーイ、メイク係のアバナシー、新進女優のリーは、ぽっかり空いたスケジュールを有意義に過ごそうと計画。ゾーイの希望で、『バニシング・ポイント』に出てきた70年代型ダッジ・チャレンジャーに試乗しようということになる。ディーラーの元にリーを置き去りにして、アクロバティックなスタントライドを楽しむ3人。ゾーイはボンネットに乗ってごきげんだ。そんな彼女たちに目をつけたのが、あの男、スタントマン・マイクである。いきなり車をぶつけてきたマイクに、女たちの怒りが爆発!タフな女たちの猛反撃が始まった!本作では、ゾーイ・ベルが時速145キロで走る車のボンネットの上で命がけの演技を成功させるが、タランティーノの予想外の一言で撮り直しを命じられたことが明かされる。6『イングロリアス・バスターズ』(2009年製作)ナチス占領下のフランス。家族をナチスの“ユダヤ・ハンター”ランダ大佐に殺された少女ショシャナは、ただ1人生き延びてうら若き映画館主となり、ナチスへの復讐を誓う。時同じくして、アルド・レイン中尉率いるユダヤ系アメリカ人兵士の特殊部隊“バスターズ”が、ナチス暗殺の極秘ミッションに参加。協力するドイツ人スパイの女性ブリジットに接触を図る。そんな彼らにまたとない情報が飛び込んでくる。新作映画のプレミアで、ヒトラーをはじめとするナチスの高官たちがショシャナの映画館に集結するというのだ。ショシャナとバスターズはそれぞれ彼らを一網打尽にする壮大な計画を画策。しかし、このキナ臭い動きを誰よりも早く察知したのが、ランダ大佐だ。果たして勝利するのは誰なのか!?それぞれの思惑が絡む運命のプレミアが幕を開けた…。本作では、初めて殺される役を演じたダイアン・クルーガーが、首を絞められるシーンで最後にみた人物について証言している。7『ジャンゴ 繋がれざる者』(2012年製作)主人のもとで人間性を奪われ、妻を奪われた奴隷のジャンゴは、賞金稼ぎのシュルツと出会い、自由を与えられ、彼と共に銃の腕を磨き稼いだ金で妻を買い戻そうと決意。お尋ね者を追うアメリカ横断の旅の最終目的地は、妻が捕らわれているキャンディ・ランド。そこは残忍な若き暴君カルビン・キャンディが君臨する農園だ。ジャンゴとシュルツは奴隷商人を装いキャンディ・ランドに乗り込むが、見かけは黒人、心は白人の老獪な奴隷頭スティーブンが2人の正体を見破り、思いも寄らない一大死闘が展開する。最後に生き残るのは果たして誰なのか?本作では、ジャンゴを演じたジェイミー・フォックスがタランティーノから説教されたことを暴露している。8『ヘイトフル・エイト』(2015年製作)どこまでも続く白銀の世界を疾走する1台の駅馬車が、行く手を阻む一人の男の前で停まる。北部の元騎兵隊でいまは賞金稼ぎのマーキス・ウォーレン、椅子代わりに座っているのは、レッドロックへ運ぶお尋ね者3人の凍った死体だ。この寒さで馬がやられ、誰かが通りかかって拾ってくれるのを待っていたのだ。馬車の客は、同じく賞金稼ぎのジョン・ルース。ゴツい腕にはめた手錠の先には、連行中のデイジー・ドメルグがつながれている。1万ドルもの賞金をかけられた重罪犯の女で、散々殴られた顔で不敵に笑っている。迫り来る猛吹雪から避難するため、ルースはレッドロックまでの中継地で、うまいコーヒーにシチュー、装飾品から武器まで何でも揃っているミニーの紳士洋品店へ向かうが、途中でもう一人、クリス・マニックスを乗せる。マニックスは新任保安官としてレッドロックへ向かう途中だと主張するが、彼が黒人殺しの南部の略奪団の一員だと知っているルースは信じない…。本作では、カート・ラッセルが演じた役柄のモデルがハーヴェイ・ワインスタインであったと証言される。9『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』(2019年製作)リック・ダルトンはピークを過ぎたTV俳優。スターへの道が拓けず焦る日々が続いていた。そんな彼を支えるスタントマンのクリフ・ブースは彼に雇われた付き人で、親友でもある。エンタテインメント業界に精神をすり減らし情緒不安定なリックとは対照的に、いつも自分らしさを失わないクリフ。そんなある日、リックの隣に時代の寵児ロマン・ポランスキー監督と女優シャロン・テート夫妻が越してくる。自分たちとは対照的な2人の輝きに触れたリックは、俳優としての光明を求めイタリアでマカロニ・ウエスタン映画に出演する決意をするが…。本作では、ワインスタインのセクハラ問題が原因となり、新たな製作会社での映画作りに挑むタランティーノの撮影中の様子が映されている。タランティーノの過去作を本作で明かされる注目ポイントとともに紹介したが、これらはほんの一部に過ぎない。本作ではこのほかにも驚くべき撮影裏のエピソードの数々が明かされているという。引退作と言われる10作目を前に、本作でこれまでのタランティーノ作品をふり返ってみてほしい。『クエンティン・タランティーノ 映画に愛された男』は8月11日(金・祝)よりヒューマントラストシネマ渋谷、新宿シネマカリテほか全国にて公開。(シネマカフェ編集部)
2023年07月25日『クエンティン・タランティーノ 映画に愛された男』より、タランティーノ監督が敬愛する映画にオマージュを捧げたシーンについて、元ネタ解説が到着。さらに『パルプ・フィクション』再上映が決定した。クエンティン・タランティーノは映画監督になる前、ロサンゼルス南部のマンハッタンビーチにあったレンタルビデオ店「ビデオアーカイブス」で働きながら浴びるように映画を観て、映画マニアの同僚やお客たちと映画について熱く語り合ってきた生粋の映画オタクだ。そんなタランティーノの映画には度々、彼が愛した古今東西の映画へのオマージュが捧げられているという。まず、デビュー作『レザボア・ドッグス』では、チョウ・ユンファ主演の香港ノワール『友は風の彼方に』の影響を強く受けており、潜入捜査官と強盗団との友情というストーリーから、クライマックスの三つ巴で拳銃を突きつけ合うシチュエーションまで、そのまま再現されている。2作目『パルプ・フィクション』では、ジョン・トラヴォルタとユマ・サーマンの有名なダンスシーンが、トラヴォルタ主演のディスコ映画『サタデー・ナイト・フィーバー』をベースに、フェデリコ・フェリーニ監督の『8 1/2』のダンスシーンの撮り方、振付、女性の髪型や服装にいたるまでそっくりと模倣されている。さらに、サミュエル・L・ジャクソン演じるギャングが人を殺す前に「エゼキエル書25章17節」を長々と朗読するシーンは、千葉真一主演映画『ボディガード牙』からセリフを拝借しており、千葉さんの大ファンだというタランティーノ監督は、4作目『キル・ビル』で、主演した時代劇ドラマ「影の軍団 服部半蔵」になぞらえ、服部半蔵役で千葉さんをキャスティングしている。そのほか、『キル・ビル』では、ユマ・サーマン演じる主人公が『死亡遊戯』でブルース・リーが着用していた黄色に黒のラインが入ったトラックスーツを着ており、ルーシー・リュー演じるオーレン・イシイが白い着物姿で雪の日本庭園を舞台に戦うシーンは、梶芽衣子主演の時代劇『修羅雪姫』をオマージュしている。7作目『ジャンゴ 繋がれざる者』では、タランティーノがこよなく愛する『続・荒野の用心棒』の原題「ジャンゴ」をタイトルに使い、オープニングシーンではそのテーマ曲を使用。さらに、本家『続・荒野の用心棒』で主演したフランコ・ネロをカメオ出演させている。さらにこの度、ドキュメンタリー映画『クエンティン・タランティーノ 映画に愛された男』が全国公開されるのを記念し、代表作『パルプ・フィクション』が全国36館で本作と同日の8月11日(金・祝)より2週間限定でリバイバル上映することが決定。映画愛溢れるオマージュの捧げられたタランティーノ作品と、その製作裏に迫るドキュメンタリー映画を一緒に楽しむことができる、絶好の機会となりそうだ。『クエンティン・タランティーノ 映画に愛された男』は8月11日(金・祝)よりヒューマントラストシネマ渋谷、新宿シネマカリテほか全国にて公開。『パルプ・フィクション』は8月11日(金・祝)より全国36館にて2週間限定上映。(シネマカフェ編集部)
2023年07月20日クエンティン・タランティーノが、『キル・ビル』3作目の可能性を否定した。昨年、ユマ・サーマンが、3作目についてはずいぶん前から話が出ていたとした上で、「今すぐ実現するとは思わない」と述べていた。しかし、10本目で映画作りをやめると宣言しているタランティーノは、映画批評家を主人公にした次の映画が最後だと発言。3作目にはサーマンの娘マヤ・ホークスが主演するのではないかという噂は、あっさり消えた。『キル・ビル』は2003年、『キル・ビルVol. 2』は2004年に公開され、それぞれ世界興収1億8,000万ドル、1億5,400万ドルを売り上げた。文=猿渡由紀
2023年07月05日奇才監督の知られざる姿に迫るドキュメンタリー『クエンティン・タランティーノ 映画に愛された男』より予告編と場面写真が解禁された。1992年、監督デビュー作『レザボア・ドッグス』で多くの映画関係者を驚かせたクエンティン・タランティーノ。その後も新作を発表するたびに世界中の映画ファンを熱狂させ、魅了し続けている。本作は、これまで「タランティーノ映画」に出演してきた俳優たち、プロデューサーやスタッフらが、知られざる内幕やエピソードを明かし、奇想天外な物語を次々と生み出し、観たこともない映像を作り出し続ける「奇才」タランティーノの真の姿に迫るドキュメンタリー。この度解禁された予告編では、これまでタランティーノ監督作品に携わってきた俳優やスタッフたちが、彼の発言や作品にまつわるエピソードなどを明かしつつ、その魅力を興奮気味に語る様子が切り取られ、ティム・ロスは「10本撮ったら映画界から退くようだ」と、注目を集めている引退宣言についても触れている。また、タランティーノ作品から名シーンが抜き出されており、「これを見ずして映画好きは語れない!」というコピーの通り、映画好きなら思わず胸が熱くなる予告編となっている。さらに、併せて解禁された場面写真では、タランティーノの監督一作目、『レザボア・ドッグス』撮影時のオフショットや、本編に挟まれるエピソードアニメーションのシーン、サミュエル・L・ジャクソンらタランティーノ作品の出演者がインタビューに答える姿などが切り取られている。『クエンティン・タランティーノ 映画に愛された男』は8月11日(金・祝)より、ヒューマントラストシネマ渋谷、新宿シネマカリテほか全国にて公開。(シネマカフェ編集部)
2023年06月16日ドキュメンタリー映画『クエンティン・タランティーノ 映画に愛された男』が、2023年8月11日(金・祝)より公開される。クエンティン・タランティーノのすべてに迫るドキュメンタリー映画『クエンティン・タランティーノ 映画に愛された男』は、『キル・ビル』や『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』など数々の話題作を手掛けてきた映画監督のクエンティン・タランティーノの頭と心の中すべてを紐解いていくドキュメンタリー映画。1992年、タランティーノは自身のデビュー作『レザボア・ドッグス』でカンヌ国際映画祭に殴り込みをかけ、一夜で時の人に。その後も新作を発表するたびに世界中の映画ファンを熱狂させ、唯一無二のジャンルを打ち立ててきた。映画『クエンティン・タランティーノ 映画に愛された男』では、タランティーノがいったいどうやって、奇想天外な物語を次々と生み出してきたのか?そして観たこともない映像を作り続けられるのか?といった疑問にフォーカス。第1作目『レザボア・ドッグス』から『ヘイトフル・エイト』までの作品に出演した俳優たちや、プロデューサー、スタッフが集結し、タランティーノの逸話と秘話、傑作誕生の裏側をタブー無しで“暴露”していく。タランティーノ映画の出演俳優やスタッフ陣が逸話&秘話を披露例えば、『レザボア・ドッグス』の“伝説の耳切りシーン”の制作秘話や、『ジャッキー・ブラウン』の亡きロバート・フォスター感涙秘話、『キル・ビル』でのユマ・サーマンの事故の真相、『ヘイトフル・エイト』の天才的脚本の裏側などが、次々に披露される。『ジャンゴ 繋がれざる者』でタランティーノからまさかの説教を受けたというアカデミー賞俳優ジェイミー・フォックスや、「クエンティンに殺されると思った」と語る『イングロリアス・バスターズ』出演のダイアン・クルーガーをはじめ、俳優達の口から語られるタランティーノ像にも注目だ。タランティーノ引退後の計画を明かす場面もまた、タランティーノはかねてより「長編映画を10本撮ったら、映画監督を引退する」と公言しており、『クエンティン・タランティーノ 映画に愛された男』は近く完成するだろうタランティーノ作品“最後の1本”を前に、タランティーノの軌跡を辿っていくドキュメンタリーとなる。劇中には、タランティーノ引退後の計画について、ティム・ロスが「少し知っている」と明かす場面も登場する。監督はタラ・ウッド監督を務めるのは、タラ・ウッド。『6才のボクが、大人になるまで。』のリチャード・リンクレイター監督のドキュメンタリー映画でも高い評価を受けたタラ・ウッドが、タランティーノの頭脳に迫る。【作品詳細】映画『クエンティン・タランティーノ 映画に愛された男』公開日:2023年8月11日(金・祝)監督・脚本:タラ・ウッド出演:ゾーイ・ベル、ブルース・ダーン、ロバート・フォスター、ジェイミー・フォックス、サミュエル・L・ジャクソン、ジェニファー・ジェイソン・リー、ダイアン・クルーガー、ルーシー・リュー、マイケル・マドセン、イーライ・ロス、ティム・ロス、カート・ラッセル、クリストフ・ヴァルツ原題:QT8: THE FIRST EIGHT
2023年06月08日クエンティン・タランティーノ監督の真実に迫るドキュメンタリー『クエンティン・タランティーノ 映画に愛された男』(原題:QT8: The First Eight)が8月11日(金・祝)より公開されることが決定。ポスタービジュアルが解禁された。1992年、監督デビュー作『レザボア・ドッグス』で、カンヌ国際映画祭で一躍注目を集め、まさに一夜で時の人となったクエンティン・タランティーノ。その後も新作を発表するたびに世界中の映画ファンを熱狂させ、「タランティーノ映画」と呼ぶしかない唯一無二のジャンルを打ち立てた。いったいどうやって彼は、奇想天外な物語を次々と生み出し、観たこともない映像を作り出し続けるのか?クエンティン・タランティーノ監督本作では、『レザボア・ドッグス』の伝説の耳切りシーンの裏側、『パルプ・フィクション』のジョン・トラヴォルタの役は、別の俳優の予定だったこと、『ジャッキー・ブラウン』の亡きロバート・フォスター感涙秘話から『キル・ビル』でのユマ・サーマンの事故の真相、タランティーノのスタントマンへの愛に胸が熱くなる『デス・プルーフ in グラインドハウス』や『イングロリアス・バスターズ』の舞台裏、『ヘイトフル・エイト』の天才的脚本の裏側…といった名作に隠された真実を明らかにしていく。『ジャンゴ 繋がれざる者』でタランティーノからまさかの説教を受けたというアカデミー賞俳優ジェイミー・フォックス、「クエンティンに殺されると思った」と語るダイアン・クルーガーほか、監督第1作目から8作目の『ヘイトフル・エイト』までに出演した俳優たち、そしてプロデューサーやスタッフたちが、その逸話と秘話をタブーなしで暴露する。監督は、『6才のボクが、大人になるまで。』のリチャード・リンクレイター監督のドキュメンタリー映画でも高く評価されたタラ・ウッド。かねてより「長編映画を10本撮ったら、映画監督を引退する」と公言しているタランティーノ。近く完成するだろう最後の1本の前に特別に用意された、発見と興奮と感動が爆発するファン必見の一作だ。併せて解禁されたポスタービジュアルでは、タランティーノ監督が手に拳銃を握ってディレクターズチェアに座るイラストが描かれており、足元には多量の血痕が飛び散っている。さらに、『キル・ビル』を彷彿とさせる黄色を背景に、「タランティーノ という唯一無二のジャンル。」というコピーとともに、本作にも出演しているタランティーノ作品にゆかりのある俳優の名前が並んだ、“タランティーノ愛”溢れるビジュアルとなっている。『クエンティン・タランティーノ 映画に愛された男』は8月11日(金・祝)よりヒューマントラストシネマ渋谷、新宿シネマカリテほか全国にて公開。(text:cinemacafe.net)
2023年06月05日音楽ストリーミングサービス・Spotifyは、クエンティン・タランティーノ監督の映画『パルプ・フィクション』(94)の1週間限定上映と連動し、「タランティーノ生誕60年記念特集」を開始した。27日に60歳の誕生日を迎えるタランティーノ監督の生誕を記念し、映画『パルプ・フィクション』が24日から1週間限定で全国上映をスタート。それに連動し、Spotifyではタランティーノ映画のサントラや代表的な音楽を集めた特集を配信する。タランティーノ監督は音楽に関しても造詣が深く、自身が長年集め続けたレコードコレクションから作品に使用することでも知られており、「映画だけでなく、音楽も楽しんでもらいたい」という思いで今回のコラボが実現した。冒頭にかかるディック・デイルの「Misirlou」や、クール&ザ・ギャングの「Jungle Boogie」などの名曲が劇中で使用されている『パルプ・フィクション』。映画ファンだけでなく、音楽ファンにも高く評価されている。
2023年03月17日クエンティン・タランティーノが、次に『The Movie Critic』という映画を監督するようだ。いつものようにタランティーノ自身の書き下ろしで、舞台は70年代、主人公は女性映画批評家らしいということしかわかっていない。製作、配給するスタジオは未定。実現すれば、彼にとって10本目の映画。タランティーノは過去に、10本作ったら映画監督を引退すると語っている。しかし、テレビなど別の形で作品を作り続ける可能性はあるようで、最近も10話構成のシリーズの脚本を書いたと明かしている。タランティーノの最近作は2019年の『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』。この映画は10部門でオスカーに候補入りし、2部門で受賞した。文=猿渡由紀
2023年03月15日ジョン・カサヴェテス、ジム・ジャームッシュ、スパイク・リー、クエンティン・タランティーノらを輩出した米インディーズ界の代表的存在アレクサンダー・ロックウェル監督による『スウィート・シング』が、10月29日(金)より順次公開。この度、公開を前に、監督がこだわったスーパー16ミリフィルムでの撮影風景や、インディーズ映画ならではのメイキング写真が解禁となった。頼る大人がいない15歳の姉ビリーと11歳の弟ニコ、そしてその家族の物語を、監督の実の娘ラナと息子ニコを主人公に描き、スーパー16ミリフィルム撮影したモノクロとパートカラーの映像の質感など、一貫してインディーズにこだわり続けてきたロックウェル監督の映画愛溢れる一編となっている。この度公開されたメイキング写真では、16ミリフィルムカメラで有名なAATONのカメラを担ぐロックウェル監督自身のカットもあり、インディーズでなければできなかった本作の魅力の一端が見えてくる。撮影の合間に何やら真剣な表情で雪玉を作るニコ役のニコ・ロックウェルは、ロックウェル監督の実の息子、当時11歳。演出中のロックウェル監督を、撮影で使ったプロレスラーのマスクをつけて見つめるニコ。主演のラナ、ニコ、そして父親役のウィル・パットン(『ミナリ』)が写っている本編ではモノクロのシーン。監督と、実の娘でビリー役のラナは当時15歳。マリク役のジャバリ・ワトキンスと監督。ジャバリは、スタッフがスケートパークでスカウトした少年で本作が映画デビュー。そのほか、娘ラナの演技を見守るロックウェル監督のメイキング写真が到着している。なお、そんな本作を絶賛する各界の著名人からコメントも到着した。なかでも、ロックウェル監督の『イン・ザ・スープ』を愛し、シーモア・カッセル演じる“ジョー”から名前をとったという俳優のオダギリジョーは「どんな業界、仕事にも言える事だと思うが、『お金の為』なのか『本質を極める』ことなのか? その意思がはっきり見える映画は、真に心を打つ。『映画』に立ち向かっている人。やっぱり憧れる」とコメント。また、尾崎世界観(クリープハイプ)は「この映画の中にある子供のまなざしに心を打たれた。久しぶりにあんな風に世界を見ることができて、とても嬉しかった」と語り、役者・映像作家・執筆家の小川紗良は「世界が色づくのは夢の中ばかりでも、ビリーのまぶたのきらめきや、ファーストピアスの血液に、彼女の祈りの色が確かに見えた」と、ラナが演じた長女ビリーに思いを重ねるコメントを寄せている。『スウィート・シング』は10月29日(金)よりヒューマントラストシネマ渋谷、新宿シネマカリテ、アップリンク吉祥寺ほか全国にて順次公開。(text:cinemacafe.net)■関連作品:スウィート・シング 2021年10月29日よりヒューマントラスト澁谷、新宿シネマカリテ、アップリンク吉祥寺ほか全国にて公開
2021年10月08日クエンティン・タランティーノが、またひとつL.A.の映画館を買収した。ロスフェリツ地区にある、ヴィスタという歴史ある独立系の映画館だ。ヴィスタはコロナのため、1年以上閉鎖したまま。タランティーノはクリスマス時期あたりに再オープンさせるつもりでいるという。タランティーノは、2007年に、ビバリー・ブルバードにあるニュー・ビバリー・シネマを買収している。ニュー・ビバリーはいつも何かを上映しているわけではなく、イベント的に古い作品をかけることを中心としているが、ヴィスタはリバイバル館ではなく、新しい映画を上映する映画館として経営するようだ。文=猿渡由紀
2021年07月06日俳優の香取慎吾が、4日に生配信されたABEMA『7.2新しい別の窓』(毎月第1日曜15:00~7.2時間生配信)に出演。映画監督で俳優のクエンティン・タランティーノとの共演秘話を明かした。番組では、香取、稲垣吾郎、草なぎ剛がこれまでに共演した俳優・女優を迎えてトークを展開するコーナー「役者トーク」に、舞台『醉いどれ天使』に出演する桐谷健太、高橋克典、篠田麻里子が登場。同作の監督を務める三池崇史氏の話題になり、ゲスト3人がそれぞれ三池監督の印象を語るなか、香取が「僕も監督とご一緒したことがあって、『スキヤキ・ウエスタン ジャンゴ』という作品。オープニングでクエンティン・タランティーノさんと僕が一緒に撃ち合うっていうシーンから始まるんです」と説明する。香取とタランティーノの共演に、スタジオからは「え!」と驚きの声が。キャイ~ンの天野ひろゆきが「なぜ、そういうシーンだったんですか?」と尋ねると、香取は「わかりません(笑)。現場に行ったら、『タランティーノが空港から到着してなくて遅れている』と言われて。初めての現場で、ウエスタンの衣装を着て待ってたら、タランティーノが汗だくで『ゴメンナサイ! 遅れた!』ってやってきて。そのあと、よーいスタート! でバンバンバンって2人で撃ち合って終わり」と明かした。(C)AbemaTV,Inc.
2021年07月05日先日、「あと1本」を撮ったら監督業から退くと改めて宣言したクエンティン・タランティーノが、ポッドキャスト「Joe Rogan Experience」に出演。「もしも『キル・ビル Vol.3』を作ることになったら…」という仮定のもと、頭の中にある構想を明らかにした。「20年後のキャラクターたちを再訪することになるでしょうね。ブライドと娘のB・Bが、平和な20年間を送っていると想像するんです。その平和が破壊され、ブライドとB・Bは逃げ回ることになる。ユマと娘のマヤをキャスティングできたらと考えると、最高に興奮します」と語っている。前2作では主人公のブライドはユマ・サーマン、前作に登場したB・Bはパーラ・ヘイニー=ジャーディンが演じていた。ユマは『キル・ビル Vol.2』の撮影中の事故で大けがを負い、タランティーノ監督を批判した過去もあったが、監督の謝罪を受け入れ和解。「素晴らしい役を書いてくれれば、また一緒に仕事をしたい」と再コラボの可能性も示した。ユマが元夫のイーサン・ホークともうけた娘のマヤ・ホークはここ数年で頭角を現し、「ストレンジャー・シングス」のロビン役でブレイク。『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』でタランティーノ監督作にも出演済みだ。親子共演の実現に期待が高まる。(Hiromi Kaku)
2021年07月02日クエンティン・タランティーノの『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』のノベライズ本が、アメリカ時間29日、発売になった。タイトルは『Once Upon a Time in Hollywood: A Novel』。著者はタランティーノ自身。ペーパーバックで、400ページ。映画でブラッド・ピットが演じたスタントマン、クリフ・ブースのバックストーリーが語られるらしい。この本はすでにアマゾンで首位を獲得している。タランティーノは結婚して以来イスラエルに住んでいるが、この本のプロモーションで現在L.A.に戻ってきている。先週末にはテレビに出演し、10作目に当たる次の映画で映画監督業を引退する決意に変わりはないと述べた。文=猿渡由紀
2021年06月30日近い将来に監督業から引退することを以前から匂わせてきたクエンティン・タランティーノが、再び引退について言及した。25日(現地時間)、タランティーノ監督は小説版『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』のプロモーション活動のために「Real Time With Bill Maher」に出演。あと1本、映画を撮り終えたら監督業を引退すると認め、司会のビル・マーに「辞めるには早すぎるし、今が絶頂期なのに!」と惜しがられた。「30年働き、多くの映画を作ってきました。ほかの人ほどは多くはないけれど、長いキャリアとは言えます。本当に長いキャリアです。持っているものは出し尽くしました。一人の人間から出せる、ありとあらゆるものをです」と監督としての達成感について語っている。タランティーノ監督は、『ダーティハリー』のドン・シーゲル監督を例に挙げ、「1979年の『アルカトラズからの脱出』で引退すれば、『最後の作品の素晴らしさよ!最高の出来だ』となったのに、あと2本を撮って長引かせました」と説明。引き際を大切にしたいことをうかがわせた。引退前の“最後の1本”には、自身の作品『レザボア・ドッグス』のリメイク版を…と考えたこともあるというが、「やりませんよ、インターネットのみなさん!」と断りを入れて会場を笑わせた。タランティーノ監督作品としては、『レザボア・ドッグス』のほか、『キル・ビル』第3弾や『ジャンゴ 繋がれざる者』の続編が企画中であると報じられたことがある。果たして“最後の1本”は完全な新作なのか、これまでの作品とつながりがあるものなのか。監督は明言していない。※映像の翻訳内容に一部誤りがあり、6月29日に追記修正を加えました。(Hiromi Kaku)
2021年06月28日史実を基に、ホロコーストを生き延びたユダヤ人たちによる驚くべき復讐計画を描いた衝撃のサスペンス『復讐者たち』(原題:PLAN A)が、7月23日(金)より全国公開決定、ポスタービジュアルが解禁された。1945年、敗戦直後のドイツ。ホロコーストを生き延びたユダヤ人マックス(アウグスト・ディール)は収容所で離ればなれになった妻子がナチスに殺された事実を知り、絶望のどん底に突き落とされた。復讐心を煮えたぎらせ、ナチス残党を密かに処刑しているユダヤ旅団と行動を共にすることになったマックスは、より過激な報復活動をしていたユダヤ人組織“ナカム”に参加したことで、“プランA”と呼ばれる計画が進行中であることを知る。それは、ドイツ人600万人を標的にした驚くべき復讐計画だった…。監督のドロン・パズ、ヨアヴ・パズが、“プランA”と呼ばれた復讐計画の生存者への取材を基に脚本を執筆。その真相と組織間の諜報戦、そして衝撃のクライマックスを実にリアルに描き出した。クエンティン・タランティーノ監督作『イングロリアス・バスターズ』でのナチス高官役をはじめ、テレンス・マリック監督作『名もなき生涯』ではヒトラーへの忠誠を拒んだ農夫を演じたことが記憶に新しいアウグスト・ディールが、埋めようのない喪失感と憎しみを内に秘めたマックスを渾身の演技で体現。ヒトラーやナチス・ドイツを扱った映画はこれまでにも数え切れないほど作られてきたが、本作は初めてユダヤ人たちによる大規模な復讐計画にフォーカス。世界が驚愕した知られざる史実を基に、魂揺さぶるサスペンスドラマとして描き出した。この度解禁されたポスタービジュアルも、「絶対に許さない」というキャッチコピーとともに、鋭い眼差しで復讐に燃えるマックスの表情が印象的なものとなっている。『復讐者たち』は7月23日(金)よりヒューマントラストシネマ有楽町、新宿武蔵野館、シネクイントほか全国にて公開。(text:cinemacafe.net)■関連作品:復讐者たち 2021年7月23日よりヒューマントラストシネマ有楽町、新宿武蔵野館、シネクイントほか全国にて公開© 2020 Getaway Pictures GmbH & Jooyaa Film GmbH, UCM United Channels Movies, Phiphen Pictures, cine plus, Bayerischer Rundfunk, Sky, ARTE
2021年05月11日ワコマリア(WACKO MARIA)から、映画『パルプ・フィクション(PULP FICTION)』とのコラボレーションアイテムが、2021年3月7日(土)よりパラダイストウキョウなどで発売される。『パルプ・フィクション』は、1994年に公開された、クエンティン・タランティーノ監督の代表作。ジョン・トラボルタやユマ・サーマン、ブルース・ウィリスといった豪華俳優陣が異なる時系列で繰り広げる物語は、短編集のような構成となっており、当時の映画界に大きな影響を与えた。今回のコラボレーションでは、そんな名作映画のオフィシャルロゴや、作中に登場するアートワークをデザインとして使用。クルーネックのスウェットシャツや開襟シャツは、フロントに映画のタイトルを刺繍で施した。Tシャツは、1枚のほか3枚セットとなったパックも用意する。また、映画内に登場する架空のハンバーガーチェーン店「ビッグ・カフナ・バーガー(Big Kahuna Burger)」や、架空のタバコブランド「レッド・アップル(Red Apple)」のグラフィックを配したスウェットやTシャツもラインナップする。【詳細】ワコマリア×パルプ・フィクション発売日:2021年3月7日(土)販売店舗:パラダイストウキョウ、ワコマリア(伊勢丹新宿店メンズ館、阪急メンズ東京)、ワコマリア正規取扱店、オンラインショップ価格:・シャツ(グレー、ブラック) 22,000円+税・3パックTシャツ 27,000円+税・クルーネックTシャツ 9,000~10,000円+税・クルーネックスウェット 14,000~15,000円+税
2021年03月06日ガイ・リッチー監督の最新作であり、クセ者たちの裏切り、駆け引き、騙し合いをスリリングに描く、痛快クライム・サスペンス『ジェントルメン』から、予告編と場面写真が解禁となった。今回解禁された予告編は、ビールとピクルド・エッグ、ジュークボックスから流れるレコードをたしなむミッキー(マシュー・マコノヒー)の背後に男が忍び寄り、銃声とともにビールグラスが血で染まる衝撃的な映像から始まる。地下の広大な秘密農園では、「大麻で大儲けした。この商売を500億で譲り、足を洗う」と引退宣言をするミッキー。そんなマリファナ王の引退宣言を合図に、“一流のワルたち”が群がり始める。財力と交渉力を武器に500億の利権を狙うユダヤ人大富豪や、世代交代を目論む血気盛んなチャイニーズ・マフィアの若頭。さらに、チーマーたちを指導するジャージの男がなにやら怪しいサインを出したり、ゆすりのネタを探してカメラを構えるゲスな私立探偵など、一癖も二癖もあるワルたちを豪華キャストが生き生きと演じている様子が垣間見える。利権をめぐりロンドンのいたるところで勃発する、裏切り、駆け引き、騙し合いは次第にヒートアップし、銃声鳴り響く巨大抗争にまで発展。映像の最後は、「“飢えたライオンは喰いつくす”」と啖呵を切り、発砲するミッキーの姿で締めくくられる。併せて解禁された場面写真は、クエンティン・タランティーノ監督も多用することで有名な、車のトランクに詰められた人物の主観ショット(通称:トランク・ショット)や、死体らしきものを運ぶ現場に偶然居合わせたような間の悪いシーンが切り取られている。そのほか、チャイニーズ・マフィアに銃を突きつけるスリリングなシーンや、秘密農園に忍び込んだチーマーたちのどこか気の抜けた乱闘シーンなど、多彩なカットが痛快な群像劇を期待させる。『ジェントルメン』は5月7日(金)よりTOHOシネマズ日比谷ほか全国にて公開。(text:cinemacafe.net)■関連作品:ジェントルメン 2021年5月7日よりTOHOシネマズ 日比谷ほか全国にて公開© 2020 Coach Films UK Ltd. All Rights Reserved.
2021年02月24日《text:山崎まどか》1人で映画館にふらりと行って、映画を観られるようになった十代の頃、渋谷にシネマライズがオープンした。それもあって、ミニシアターというと真っ先にいまはなきこの映画館と、渋谷の街が心に浮かぶ。まだ、ミニシアターという名称が一般的でなかった頃、私は新宿のシネマスクエアとうきゅうや、俳優座シネマテン、シネ・ヴィヴァン六本木といった劇場で、ブロックバスターとは違うタイプの映画に親しんできた。でもそこには、映画好きの母のお供で行ったに過ぎない。自分で映画を選んで観に行くようになってから、足しげく通ったのはシネマライズであり、ザ・プライムの6階に入っていたシネセゾン渋谷だった。パルコ・スペース・パート3やシード・ホールにもお世話になった。高校の時から渋谷は好きな街だったが、大学生になった90年代には、映画館、レコードショップ、ブティック、カフェと好きなものの何もかもが渋谷に集結していた。あの頃、渋谷のミニシアターで観た作品は、思い入れの深いものが多い。シネライズで初めて『レザボア・ドッグス』(1991)を観た時は興奮した。80年代から日本のミニシアターで不動の人気を誇っていたのはジム・ジャームッシュで、もちろん私も嫌いではなかったが、自分よりも年上の人たちにより響くものがある監督なのではないかと、十代の時に思っていた。クエンティン・タランティーノの映画を観た時、自分たちの世代のための監督がようやく出てきたと思ったのだ。「私たちの」劇場であるシネマライズで、「私たちの」映画監督であるタランティーノの映画を観た。ひとつの時代に立ち会っているだけではなく、その時代を生きている。シネマライズで『レザボア・ドッグス』を、そして『トレインスポッティング』(1996)を観て、そんな臨場感を覚えた観客は少なくないだろう。この瞬間に、この場所で観ているからこそ、意味がある。そう感じさせてくれた映画体験だった。90年代、ミニシアターで観て、もう一度観たい映画の中には、DVD化もされていなければ、配信でも観られない作品がある。シネマライズで観た中では『ミナ』(1993)がそうだ。ロマーヌ・ボーランジェとエルザ・ジルベルスタイン主演の青春映画で、60年代から70年代を舞台に2人の少女が大人になって、すれ違うまでを描いたこの作品が好きだった人は多いはず。ベンチに並んで腰かけているメガネをかけたミナ(ボーランジェ)とベルボトムのジーンズのエテル(ジルベルスタイン)の姿が忘れられない。『ゴーストワールド』(2001)のソーラ・バーチとスカーレット・ヨハンソンが出て来る前、世を拗ねた少女たちが最も感情移入できる2人組といえば、この不器用なフランスの少女たちだったのではないだろうか。少なくとも、自分にとってはそうだった。この映画を、私は中学時代の親友と2人で観に行った。もう1本は、シネセゾン渋谷で観たパスカル・フェラン監督の『a.b.c.の可能性』(1998)だ。二十代半ばの10人の男女の将来への期待や不安、上手くいかない恋愛や人間関係を描いた群衆劇で、臨場感があってチャーミングだった。劇場で観たことを後から自慢したくなるのは、名作や大ヒット映画よりも、実はこんな映画だ。「渋谷系」と渋谷でかかるミニシアター映画が分かち難く結びついていた時代で、『ミナ』のパンフレットに「ラヴ・タンバリンズ」のエリとカヒミ・カリィの親友対談が掲載されていたり、「ニール&イライザ」が『a.b.c.の可能性』とのタイアップでシングルを出していたことも(やや苦笑してしまうが)懐かしい。(text:山崎まどか)
2021年02月19日布袋寅泰の40年を凝縮した2夜日本ロックシーンの進化を目撃する布袋寅泰のアーティスト活動40周年を記念した「HOTEI 40th ANNIVERSARY Live "Message from Budokan"」がいよいよ今週末、開催される。キャリアとレパートリーを2夜に大別して日本の音楽シーンを牽引してきた布袋のキャリアを凝縮し、同時にアニバーサリーイヤーの口火を切るライブだ。Memories――思い出・記憶とサブタイトルの付いた初日は、BOØWY、COMPLEXという音楽家としての地歩を固めた“原点”であり、パンク/ニューウェイブの初期衝動を基軸に日本のロックシーンに地殻変動をもたらした楽曲中心に披露。Adventures――冒険・探求と冠された2日めは、ソロワークの幕開けを告げる作品であり、クリエイティブの源泉と言うべき『GUITARHYTHM』から今日までの集大成となる模様。その2夜に通底するのは「とどけ。」というメインテーマだ。新型コロナウイルス感染状況を鑑み、無観客での生配信ならびに映画館でのライブビューイングという形態での開催とあいなったが、生活様式の変容を余儀なくされ、言い知れぬ閉塞感に覆われた日常を踏まえ、熟慮と覚悟のうえで響かせる 「とどけ。」というテーマこそ、布袋のロックンロールスピリットを正しく体現するものだと思える。【Memories】筆者が布袋寅泰という音楽家を初めて目にしたのは、新宿の老舗ライブハウスだった。80年代初頭、現在とはおなじ街の少し離れた場所にあったその店のステージから、熱気を切り裂くように聴こえてきたギターのカッティング。パンク/ニューウェイブ由来のどこか不穏な空気をまとった演奏と、ふっと顔をのぞかせる皮肉で洒脱なセンスが圧倒的な存在感を伴って、今も折に触れて思い返す。その後、幾度か取材を重ねる機会に恵まれたが、20世紀も残すところ10年となった頃に実現したアーティストによる責任編集シリーズはなかでも印象深い。“20世紀に残したい名盤100枚”を名だたるアーティストに選んでもらうという企画は大変に時間と手間のかかるもので、100枚なんて多すぎる、いや100枚なんて絞れない、とずいぶんとお叱りを頂戴したが、100枚というボリュームゆえか、選者の音楽的な原点やそれが流れていた時代、往時の心象風景までをもビビッドに照射する学び多き結実を得たと自負している。布袋の100枚もその例にもれず、楽しい仕事だった。パブリックイメージから辿りやすいパンク/ニューウェイブの的確な選盤眼にうなりつつ、女性ボーカル、エレクトロミュージック、映画音楽、ジャズ、クラシックといった多彩なチョイスに舌を巻いた。この特集は、のちにNHK FMの番組『ミュージック・スクエア』と連動する形で名盤を500枚ほどに増量し、選曲リストを全掲載し、ロンドンで撮影を行い、書籍『布袋寅泰のRadio Pleasure Box』(小社刊)となった。今思えば、その後30年余にわたる“GUITARHYTHM”シリーズが世に問うたアート性の高い表現や現在のロンドン生活といった人生のピースがすでにひとつ、またひとつと置かれていたのだった。GUITAR+RHYTHM=GUITARHYTHMアートとして昇華するロックンロール【Adventures】もっと言えば、その軌跡は1988年から刻まれていたのだ。怒涛の1年。春、東京ドームでの「LAST GIGS」でバンド活動に終止符を打ち、“伝説”を喧伝する世間を尻目に6月第2週に渡英。10月、件の『GUITARHYTHM』が発表された。コンセプトを余すところなく表現したGUITARHYTHMというフレーズの斬新さはもとより、当時のデジタルテクノロジーを駆使したサウンドアプローチ、英語詞による近未来感あふえる世界観、自身によるボーカル、世界のロックシーンに勇躍、挑戦する志……今や有名になった“GUITARHYTHM宣言”が高らかに謳ったように、90年代のロックンロールの幕は切って落とされた。アルバムを締めくくるオーケストレーションに寄せて、「布袋寅泰自身のサウンドトラックのごとき」と評したことを覚えている。“宣言”を少しだけ抜粋しておく。ロックという言葉の持つ意味が個人の解釈に委ねられた今、逆にインパクトを持ち、国内のみならず海外にもアピールしうるロックンロールがこれから作っていく≧GUITARHYTHM≦の基本になっていくテーマは〔スピード〕〔リフレイン〕〔メロディ〕〔コンピュータ〕〔パンク〕の5つに集約されている。 わかりやすく言うとセックス・ピストルズのギタリストとジグ・ジグ・スパトニックのリズム隊をバックに、エディ・コクランがビートルズの歌を赤いスーツを着て歌うということだ今なお色あせることのない至言である。ストイックな様式美に貫かれたGUITARHYTHMシリーズは、その内に音楽の冒険心・探求心を秘めている。それに導かれて、サブスクやYouTubeで音楽を楽しむことが一般化した現在では当たり前の要素が、当時はクリエイティブの度重なる試行錯誤を経て存在していたとも言える。たとえば、短編映画のような映像表現、アートワークやファッション、ライブにおける照明や音響、ジャンルや国境を超えたアーティスト同士のコラボレーション。6作を数えるGUITARHYTHMシリーズの提示する冒険はつねに刺激的で、ヒットメーカー、ロックスターの華やぎもあって日本の音楽シーンに大いなる影響を与えた。同時に、アトランタオリンピック閉会イべントで、盟友マイケル・ケイメンが指揮する120名編成のオーケストラとともに、「Wings Of Victory」を披露。『新・仁義なき戦い』(阪本順治監督)の音楽監督として作曲したテーマ曲「BATTLE WITHOUT HONOR OR HUMANITY」に惚れ込んだクエンティン・タランティーノ監督が『キル・ビル』の挿入曲として起用。と、もとより意識していた世界視野での活動が大舞台で開花していった。その「GUITARHYTHMという人生」は、ぴあアプリ連載にて詳しく語っているので、改めて読んでいただければと思う。世界的な感染症の蔓延で、未曽有の日常を余儀なくされ、エンタテインメント、とりわけライブエンタテインメントが危機的状況に陥っている。英国に居を構え、さまざまな国で活動を続けてきた布袋ならば、思うところはさぞ大きかろうと胸が痛むが、SNS等を通してライブやトークを発信するなど、コロナ禍のコミュニケーションにも配慮しているのはさすがだ。豪華な顔ぶれの参加で話題を呼んだコラボレーションアルバム『Soul to Soul』も、そうしたオンラインセッションと通底する試みと言えなくもない。布袋寅泰の40年にわたる音楽の旅の現在地を目撃できるのはいよいよ今週末である。ぴあでは、2/7(日)18:00まで武道館ライブのメモリアルフォトカードが抽選で50名のファンに当たるプレゼントキャンペーンを実施中。チケットぴあのTwitterアカウントのフォロー&リツイートでご応募ください。◎公演情報「HOTEI 40th ANNIVERSARY Live”Message from Budokan”~とどけ。Day 1 (Memories)~」1月30日(土)17:00~ 配信開始予定※2月6日(土) 23:59 までアーカイブ配信あり「HOTEI 40th ANNIVERSARY Live”Message from Budokan”~とどけ。Day 2(Adventures)~」1月31日(日)17:00~ 配信開始予定※2月7日(日) 23:59 までアーカイブ配信あり
2021年01月27日女性たちから人気の高いジャンルの映画といえば、ラブストーリー。いくつになっても胸のトキメキを味わうのは大切なことですよね?そこで今回ご紹介するのは、時代を超えて描かれる“愛の物語”です。それは……。感動を呼ぶ『43年後のアイ・ラヴ・ユー』【映画、ときどき私】 vol. 352妻を亡くしたあと、ロサンゼルスの郊外にひとりで暮らしていた70歳の元演劇評論家クロード。近所に住んでいる親友のシェーンとともに、老後を楽しんでいた。そんなある日、クロードにとっては忘れられない昔の恋人で、人気舞台女優だったリリィがアルツハイマーを患わせて施設に入ったことを知る。もう一度リリィに会いたいと強く願ったクロードが思いついた一世一代の嘘は、なんとアルツハイマーのフリをしてリリィと同じ施設に入居するというものだった。ようやくリリィと再会でき、喜ぶクロードだったが、彼女の記憶から自分のことが完全に消し去られていることに気がつく。そして、クロードは“ある作戦”を実行することに……。美しい物語に加え、数々の巨匠監督に愛されてきたハリウッドのレジェンドであるブルース・ダーンが魅せる名演技にも注目が集まっている本作。今回は、こちらの方にお話をうかがってきました。マーティン・ロセテ監督現在、ニューヨークに拠点を置いて活動を続けているスペイン出身のロセテ監督。短編映画の制作で高く評価されたあと、長編を手掛けるようになり、今回で長編映画2作目となります。そこで、本作が誕生したきっかけや作品を通して伝えたい思いなどについて語っていただきました。―まずは、本作の脚本との出会いやどのあたりに惹かれたのかについて教えてください。監督前作の撮影が終わったあと、「映画を通して何か特別なものを伝えたい」と考えていた僕は、次の映画の題材を探すためにいろいろな脚本を読んでいました。そんなときに、脚本家であるラファ・ルッソから本作のアイディアを聞き、最初の5分だけでこの物語にほれ込んでしまったんです。「スウィートな物語を描きたいけれど、よくあるラブストーリーにはしたくない」と思っていた僕にとってまさにぴったりな作品だなと。なぜなら、ありきたりなラブストーリーではないうえに、ユーモアもあると感じたからです。さらに、物語のメインが年配の方々であることも、アルツハイマーという病に対してリスペクトを持った形で描いているところも、この作品の特別なところだと思います。アルツハイマーの違う側面に焦点を当てたかった―確かに、一般的にはネガティブな部分を取り上げられることが多いアルツハイマーも、本作からは違う印象を受けました。アルツハイマーを描くうえで、注意したことはありましたか?監督僕の家族にもアルツハイマーを患っている人がいますし、実は本作のプロデューサーのひとりもまさにいま闘病中なので、コメディ要素はありつつも、そのあたりはしっかりと配慮して描かなければいけないと感じていました。つまり、超えてはいけない一線があるということ。非常に難しいところではありましたが、そこを超えてしまうと、現在病気と闘っている方々やその家族を傷つけてしまうことになると思ったからです。もちろん、これまでにアルツハイマーのつらい部分を描いている作品で素晴らしいものもありますが、今回はそれとは違う側面を見せたいというのがありました。特に、愛やユーモアの部分に焦点を当てたいなと。それは自分にとって大きな挑戦でしたが、とにかくリスペクトを持って描くことを大切に作品づくりと向き合いました。―アルツハイマーについてリサーチを重ねるなかで、印象に残っていることはありますか?監督制作にあたっては、アルツハイマーに関するドキュメンタリーや本など、かなりたくさんの資料に目を通しました。そのなかでも特にリサーチを重ねたのは、楽器を弾いたり、歌ったり、アートにかかわったりするような方々の症状について。そのあたりは参考にさせてもらったところです。また、今回は僕たちのアルツハイマーに関する描写が正確であるかどうか、配慮がきちんとされているかどうかを確認するために、アルツハイマー協会に脚本を読んでもらうようにお願いしました。協会の方々からは、非常にポジティブなフィードバックが戻ってきたので、安心しましたし、すごくうれしかったです。毎日マスタークラスに通っているような現場だった―劇中では、キャストのみなさんが非常に魅力的でした。主演のブルース・ダーンさんをはじめ、ベテランの方が多い現場で学んだことがあれば教えてください。監督ブルースは、そうそうたる監督たちと仕事をしてきた経験豊富な俳優。アルフレッド・ヒッチコックからもらったアドバイスや僕が敬愛するスティーヴン・スピルバーグとのエピソードなど、いろんなことを教えてくれたので、毎日マスタークラスに参加しているような感じでしたね(笑)。今回の撮影のあとには、クエンティン・タランティーノ監督の『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』でブラッド・ピットとの共演シーンが控えていて、そのスケジュールに合わせるために彼だけ2日早くクランクアップした、なんてこともありました。僕が尊敬する監督たちがどんなふうに映画を撮っていたのかということを知ることができただけではなく、ブルースたちからは人への接し方も学ぶことができたので、自分にとってはとても身になることが多い現場だったと思います。―素晴らしい現場だったんですね。では、彼らの演技に驚かされたようなこともありましたか?監督クロード役のブルースとシェーン役のブライアン・コックスが同じフレームに収まっているだけでも興奮しましたが、おもしろかったのは、彼らの演技に対するアプローチが正反対であること。ブルースは毎回アドリブをたくさんかますようなワイルドなタイプの役者なんですけど、ブライアンはいわゆる英国系の脚本を全部しっかり頭に入れてその通りに演じるタイプの役者ですから。でも、それが夢見るようなところのあるクロードと真面目な性格のシェーンというそれぞれのキャラクターとも重なっていて、それを見ることができたのは楽しかったです。そういった2つのエネルギーが現場ではいい形で合わさっていたように感じています。人は愛のためなら信じられない力を発揮できる―本作からは、愛には人の想像を超える力があるとも感じさせられましたが、監督にとって愛とはどのような存在ですか?監督愛とは宇宙で一番力があるものじゃないかな、というふうに僕は思っています。愛する誰かと一緒にいるためだったら、人は信じられない力を発揮することができますからね。はたから見るとちょっとクレイジーなことでも人は愛のためだったら、何でもできるんですよ。僕は世界を動かすことできる力のなかで、愛が一番ステキなものだと思っています。だからこそ、「恐怖や不安ではなく、もっと愛のほうに目を向けてみましょう」というのをこの映画でも描いているのです。―素敵ですね。また、手紙やセリフからは言葉の持つ力や美しさにも魅了されました。監督自身が大切にしている言葉があれば、ぜひ日本の観客にも教えてください。監督僕はよく瞑想をするのですが、そのときにいつも思い浮かべている言葉は、「Everything will be fine」。つまり、「すべてはうまくいく」という考え方ですね。それから、いつも忘れないようにしているのは、「僕たちがいまここに存在しているのは一瞬なんだ」ということ。人は心配しすぎると恐怖心から動けなくなってしまうこともありますが、心配ばかりしていると時間が無駄に過ぎてしまうことがありますから。その真逆が劇中のクロードですが、他人が自分のことをどう思っていたとしても、自分が正しいと感じる行動を心のままにすることが大切なんだと僕は考えています。愛を語るのに年齢は関係ない!一途な愛と優しい嘘が引き起こす奇跡のラブストーリー。愛の持つ力や人と人の絆について改めて考えさせられる時代だからこそ、その重みにも心が動かされるはず。身も心も冷え切ってしまいがちなこの時期にぴったりの温かさが詰まった1本です。取材、文・志村昌美輝きに満ちた予告編はこちら!作品情報『43年後のアイ・ラヴ・ユー』1 月 15 日(金)より、新宿ピカデリー、角川シネマ有楽町、ヒューマントラストシネマ渋谷ほか全国公開配給:松竹©2019 CREATE ENTERTAINMENT, LAZONA, KAMEL FILMS, TORNADO FILMS AIE, FCOMME FILM . All rights reserved.
2021年01月14日クエンティン・タランティーノが、2冊の本を書くことになった。いずれもハーパー・コリンズの傘下であるハーパーから出版される、1冊目はフィクションで、タイトルは『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』。タランティーノが監督した同名の映画をさらに掘り下げるもので、リック・ダルトン(レオナルド・ディカプリオ)と彼のスタントマン、クリフ・ブース(ブラッド・ピット)の過去や関係がもっと明らかになるようだ。2冊目はノンフィクションで、1970年代の映画について、批評や、個人的な思いを綴るもの。1冊目は来年夏の出版が予定されている。文=猿渡由紀
2020年11月18日「なんばパークスシネマ爆音映画祭」が、2020年8月25日(火)から9月6日(日)まで大阪・なんばパークスシネマにて開催される。「なんばパークスシネマ爆音映画祭」好評につき期間延長「なんばパークスシネマ爆音映画祭」では、映画館にライブ・コンサート向けの大規模かつ高品質な音響機器をセッティング。映画作品の持つ“音”の世界や可能性を探求し、高品質な“音”を大音量で表現する。8月6日(木)から13日(木)までの期間開催されたが、好調につき開催期間を延長。好評を博した8作品に加え、新たに10作品を追加した全18作品のラインナップを爆音上映する。『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』など初登場作品注目の初登場作品は、クエンティン・タランティーノ監督の9作目であり、レオナルド・ディカプリオとブラッド・ピットの初共演が話題となった『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』。よりダイナミック、あるいは緊張感のある音響とともに2大スターの競演を楽しめる。さらに、次世代を担う東西ジャニーズJr.が集結した、ジャニーズ喜多川 製作総指揮『映画 少年たち』も登場。2019年に丸の内で「実演アンコール上映」を行った時の実演映像付で上映される。数々の話題作を発信している映画製作会社「A24」が手掛ける、アリ・アスター監督のホラー作品『ヘレディタリー/継承』も初登場。『ミッドサマー』のディレクターズカット版と2本立て続けに楽しむことができる。また、『WAVES/ウェイブス』『カセットテープ・ダイアリーズ』『サーホー』といった作品が爆音映画祭に初登場する。さらに、『マッドマックス 怒りのデス・ロード』や、『バーレスク』といった作品や『プロメア』『ガールズ&パンツァー 劇場版』といったアニメもラインナップ。臨場感あふれる“音”とともに新たな感動を味わえそうだ。【詳細】なんばパークスシネマ爆音映画祭延長期間:2020年8月25日(火)~9月6日(日)〈13日間〉会場:なんばパークスシネマ住所:大阪府大阪市浪速区難波中 2-10-70 なんばパークス 8FTEL:050-6864-7125(24時間上映案内&FAX 案内サービス)料金:一律 2,000円(税込)チケット発売:・ウェブ販売 2020年8月21日(金) 22:00~・窓口販売 2020年8月23日(日) 劇場オープン時~■上映作品<全18作品> ※[初]:爆音映画祭初上映ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド[初]、WAVES/ウェイブス[初]、映画 少年たち[初]、ミッドサマー ディレクターズカット版、ヘレディタリー/継承[初]、カセットテープ・ダイアリーズ[初]、スウィング・キッズ、バーレスク、マッドマックス 怒りのデス・ロード、マトリックス、T-34 レジェンド・オブ・ウォー 最強ディレクターズ・カット版、バーフバリ 伝説誕生<完全版>、バーフバリ 王の凱旋<完全版>、サーホー[初]、バジュランギおじさんと、小さな迷子、ガールズ&パンツァー 劇場版、プロメア、うたの☆プリンスさまっ♪ マジ LOVE キングダム
2020年08月28日8月14日(金)より配信されるNetflix映画『プロジェクト・パワー』。この度、アクション満載の本編映像が公開された。本作は、服用すれば5分間だけ、透明化・発火・怪力・超スピード……などのスーパーパワーが得られるものの、死に至る可能性もある危険な薬を巡るスペクタクルアクション。主演を、『アメイジング・スパイダーマン2』でスパイダーマンの敵エレクトロを熱演し、クエンティン・タランティーノ監督の主演作『ジャンゴ繋がれざる者』や『ベイビー・ドライバー』などのジェイミー・フォックス。共演には、『(500)日のサマー』では甘いルックスで日本でも人気を獲得し、『G.I.ジョー』『インセプション』『ダークナイトライジング』など数多くのハードな超大作にも出演してきたジョセフ・ゴードン=レヴィット、さらに、ドラマ『DEUCE/ポルノストリートin NY』などに出演する注目の女優ドミニク・フィッシュバックや、『300〈スリーハンドレッド〉』のロドリゴ・サントロらが集結した。監督は、『パラノーマル・アクティビティ3』『パラノーマル・アクティビティ4』のヘンリー・ジュースト&アリエル・シュルマンが。脚本は、多くのショートフィルムで脚本経験を積み、ロバート・パティンソン主演で新たに2021年公開予定のバットマン新作『The Batman(原題)』や『MegaMan(原題)』では脚本家に起用された新鋭マットソン・トムリンが手がけている。公開された本編映像では、全身が透明化するというスーパーパワーを手にした強盗犯と、犯罪者に対抗すべく薬の力で硬質化した警官フランク(ジョセフ・ゴードン=レヴィット)が激突、手に汗握るバトルを繰り広げる、本作のアクションシーンの魅力を堪能できるものとなっている。平和な街に突如現れた凶悪な強盗犯を追いかけ、やっとの思いで追い詰めたと思いきや、隙を付かれ拳銃で頭を撃たれてしまうフランク。しかし、薬の力で全身が鋼のように堅くなっていた彼は無事で、薬の効果が切れる残り数秒のところで、混戦の末、強盗犯を追い詰めるが……。Netflix映画『プロジェクト・パワー』8月14日(金)より独占配信開始
2020年08月13日映画界最注目のスタジオ「A24」と『スイス・アーミー・マン』のダニエル・シャイナート監督が再びタッグを組んだ最新作『ディック・ロングはなぜ死んだのか?』。本作の予測不可能なダークな笑いは、根強いファンに愛される傑作たちから生まれていることを監督が語った。ダニエル・シャイナート監督が明かした本作のインスパイアの源は、コーエン兄弟がミネソタ州を舞台に、ブラックユーモアたっぷりに田舎町の事件を描いた名作クライムサスペンス映画『ファーゴ』、家族のために違法ドラッグ作りに手を染める高校教師を描き、2010年代最高のTVドラマと評される「ブレイキング・バッド」、クエンティン・タランティーノ監督の初期の傑作『レザボア・ドッグス』と『パルプ・フィクション』、そして世界的大ヒットコメディ映画の『ハングオーバー!』シリーズだ。コーエン兄弟『ファーゴ』に「インスパイアを受けた」カンヌ国際映画祭監督賞受賞、アカデミー賞作品賞にもノミネートされた『ファーゴ』は、コーエン兄弟の出身地のミネソタ州ミネアポリスが舞台。主人公が狂言誘拐を起こそうと画策するも、歯車の掛け違いから事態が思いもよらない大騒動に発展していく様を、ユーモアたっぷりに描いている。シャイナート監督は、「敬愛するコーエン兄弟が出身地を舞台にして『ファーゴ』を撮っていたから、僕も故郷のアラバマ州を舞台にすることに決めたんだ。脚本家のビリーと『ファーゴ』の事は沢山話したけど、狭い町の小さなコミュニティの混乱をシニカルさたっぷりに描いているところや大真面目な登場人物の思いとは逆に話が転がっていく事、気の抜けたキャラクター達の造形など、インスパイアを受けた点は沢山あるよ。南部版ファーゴと呼んでもらってもいいけど、あの作品でさえ起らなかった事を描いているから驚くと思うよ!」と、多大な影響があったと語りつつ、本作への自信ものぞかせる。「ブレイキング・バッド」のように「事は悪い方向に進んでいく」「ブレイキング・バッド」は、批評サイト「Metacritic(メタクリティック)」でTVドラマ史上最高の100点満点中99点という高評価を獲得し、ギネス世界記録にも認定された海外ドラマの金字塔。末期の肺ガンと宣告された冴えない高校の化学教師が、危険なドラッグ製造・販売に手を染める様が描かれる。監督は、「ウォルター(ブレイキング・バッドの主人公)は、大切な家族を守りたいが故に家族に言えない悪事を働いてしまうけど、守るどころか家族まで巻き込んでしまう。“人に言えない秘密が周りにどんな影響を与えるか”というテーマは同じなんだ。ジークもウォルターと同じように、家族の為にディックの死をひた隠しにする。だけど、やっぱり周囲を巻き込んで、事は悪い方向に進んでいくんだ。まぁ、ディックの死を隠したい理由は、家族を守る為だけじゃないけどね」と、同じテーマを扱っていることを明かした。『レザボア・ドッグス』『パルプ・フィクション』にオマージュクエンティン・タランティーノのデビュー作品『レザボア・ドッグス』、カンヌ国際映画祭の最高賞パルムドール、アカデミー賞脚本賞を獲得した『パルプ・フィクション』。映画史に残る傑作2作ついて、「タランティーノからの影響は、深刻なシーンにもユーモアを盛り込むという手法だよ。人は切羽詰まった状況に置かれると、その状況を映画に例えたりするだろ?リアリティを持たせる為に、彼の作品の要素を入れようと思ったんだ」とシャイナート監督。「OP後に血にまみれた後部座席のシーンを映すのは『レザボア・ドッグス』と同じ構成、その血だらけの車内を清掃する時に『パルプ・フィクション』の掃除屋の話をするのは、具体的なオマージュだ」と、両作へのオマージュを明かしている。「大好きな『ハングオーバー!』への僕なりのアンサー」世界的大ヒットコメディ映画『ハングオーバー!』シリーズ。酔い潰れ、記憶をなくした登場人物たちの判断ミスやコミュニケーションミスが思わぬ事態を引き起こしていく物語だが、監督は「この作品は、大好きな『ハングオーバー!』への僕なりのアンサーでもあるんだ。共通点はいつまでたっても精神的には子供のままの大人達が、羽目を外してやらかしてしまう。結託して秘密を守る。秘密を抱えた代償や心理的影響、それが大事に発展していく様、この作品ではよりリアルにドラマティックに描いたつもりだよ!」と明かしている。これらの作品で共通するのは、人には言えない秘密をひた隠しにすることによって事態が想像を超えて大きくなる様や、深刻になればなるほど、あからさまになる人間の滑稽さ。本作もディックの死を隠し続けたために、事態がどんどん大きくなる。そして、ひた隠しにする理由は一体なんなのか!?その事実は…知らないほうがいいかもしれない?『ディック・ロングはなぜ死んだのか?』は8月7日(金)よりヒューマントラストシネマ渋谷、新宿シネマカリテほか全国にて公開。(text:cinemacafe.net)
2020年07月30日