2016年3月8日 12:08
「私は大丈夫」が命取り - 標的型攻撃メールの実例に学ぶ"甘い罠" (4) 製品問い合わせ? いいえ、これも攻撃です
、また添付ファイルを開いていないとみるや、添付ファイルを開かせるために催促をする(No.8)など、2012年時点では見られないような手口を利用している点です。
攻撃の成功率を上げるために学習し、手口を向上して、数年にわたり攻撃を継続していることが見て取れます。
人間は相手の反応を確認しながら相当の対応をしてもらうようなやり取りを繰り返すことで、徐々に信頼関係が構築されていきます。「やり取り型」はこのような心理的な特性を利用し、このような状況に適した受け答え、対応を攻撃者が行うことを通して構築された信頼関係を土台として攻撃を成功させようとしてくるのです。
今回は、通称「やり取り型」と呼ばれる攻撃の一連の流れと攻撃者の学習による手口向上の事例を紹介しました。巧妙な手口で、執拗に攻撃を継続してきている様子を垣間見ることができたのではないでしょうか。
このような「やり取り型」の攻撃は詐欺のようなものです。いかにも怪しい雰囲気の詐欺師は成功しません。
詐欺師は身なりを整えて、一見誠意があるようなコミュニケーションを続けることで相手の信頼を得ようとします。また相手の時間を奪い、冷静に判断できないようにし、そして準備が整ったところで詐欺行為を働きます。