日本のアニメのデジタル化、その最前線に迫る - ACTF2016 (2) CGでセルルックアニメを作り出すサンジゲン、1年半かけて出した結論は
である。吉浦康裕監督による第29作目で、サンジゲンではTVPaintによる動画の一部を担当した。
ここでわかったデジタル作画のメリットは、正確な動画制作ができること。タップ割に合わせたいところを自動でセンタリングできるため、タップのズレを防ぐことができるのだ。サンジゲンが得意とするCGとTVPaintとの相性は良好で、紙でやると動画がおざなりになりがちな部分も、TVPaintなら3Dの動きに合わせて原画が描けるのでずっとコントロールがしやすいというメリットがある。吉浦監督もこのクオリティには満足したとのことで、仕上げからも補正の必要がないと喜ばれたという。
そして、話は最新作の「ブブキ・ブランキ」へ。サンジゲン初の元請オリジナルTVシリーズとしてスタートした同作品には、茶之原氏が各話のデジタル作画監督として参加している。
同作品の最大の特徴はCG制作ながらセル画のような見え方をする"セルルック"であること。この場合、色と線は別々に出力されるため、TVPaintには線だけ読み込ませることにした。
ブブキ・ブランキは3D作画に見えるところが2Dだったり、その逆だったりもする。たとえば3Dモデリングが大変な食事のカットなどもデジタル作画が用いられているのだ。