2022年6月24日 17:00
是枝裕和監督、海外に出て感じた日本映画界の良さと課題 韓国の労働環境「参考にすべきところはたくさんある」
映画は自分たちが生んだという自負があるから。韓国は今、映画がビジネスとして活況を呈しているので、熱気が強い。フランスだと映画は文化だしアートだけど、韓国は少し前までは国策であり今はビジネスチャンスとして開かれている部分がすごく強い。そして日本は趣味の域をなかなか出ない。その良さと大変さがあると感じています」
日本を飛び出して映画を制作することで、それぞれの国の良さや課題が見えるように。「視野が広がっているだけではダメで、それをどう日本にフィードバックして改善に向けて動けるか」と、海外での経験を日本の映画界に生かしていくつもりだ。
そして、今後海外でどのような挑戦がしたいか尋ねると、「あまり挑戦という感覚では捉えていないんです」と是枝監督。
「海外で映画を撮る面白さは、自分の好きな役者と仕事ができるということ。
その人がたまたまフランス人や韓国人で、彼らが暮らしている土地で撮ったほうがいいから僕が乗り込んでいくというだけで、チャレンジとは考えていない。イーサン・ホークとまたやりたいから、イーサン・ホークを今度撮るならアメリカがいいなという感じです」
また、撮りたい題材があり、それを撮るのにふさわしい場所が海外だった場合は、海外で撮るという考えだ。