宝塚の演出家・木村信司が、若手ジャニーズとつくる音楽劇『コインロッカー・ベイビーズ』にかける思い
原作が出版されたときには面白いSF小説として読んだんですが、21世紀になった時に読み返して、ドストエフスキー『カラマーゾフの兄弟』と共通するところがあるなと。「僕たちを殺すな、生き残る。もう一度現れる」という子供の叫びを聞いた気がして、脚本に起こしました。2001年頃の話です。
――書いたものを形にしようと動き始めたのはいつからですか?
いろいろな伝手を使いまして、5年前、村上先生の手元に脚本と企画書が届きました。それから10日も経たないうちに、ぜひやってほしいという話が来まして、びっくりしましたね。「条件もそちらの思うように」というお話でした。
あとになってから知ったのですが、映画界では常識となっているくらい難攻不落の著作権だったそうです。
舞台化が動き出したのは、村上先生に「やってよろしい」と言っていただけたことがすべてでした。
――そこはやはり脚本の力が大きかったのでしょうか。
もし感じ取ってもらえたものがあったとすれば、熱だったんだろうなと思います。○その瞬間、輝くことに命をかける
――主演がジャニーズの方で、木村さんは宝塚の方ですが、宝塚とジャニーズの違いは感じますか?
共通点を話した方が早いかもしれません。