ものを見る時は横目だと認識率が下がる - 東北大が確認
このことから、横目観察は、視覚探索処理全般を妨害するというより、視覚的注意が関与する処理に対して妨害効果を持つことが示唆されたのである。
ただし、この結果は「横目観察時に眼球運動をしにくかったこと」あるいは「斜めの画面を見ているため、右目と左目で観察距離が違っており、入力される網膜像が左右の目で大きく異なったこと」による妨害効果でも説明できるかも知れないという。
つまり、眼球運動制御に関して、周辺に大きく目を動かして対象を見ようとすると、その注視位置の精度が悪くなることが知られているため、横目観察時には注視がうまくできておらず、その結果、視覚探索成績が低下した可能性があるというわけだ。
また、私たちは左右の目に映る像(網膜像)を手掛かりの1つとして、奥行きを知覚している。今回の研究では頭部を斜めに向けて刺激を観察しているため、左右の目における観察距離が異なり、網膜像の大きさに違いが出る。すると、平面的な画面を観察しているにも関わらず、奥行きが知覚され、それが課題遂行を妨害した可能性があるとした。
これらの影響を排除するために、視覚探索画像を瞬間呈示し(眼球運動が起こらない程度の時間だけ画像を呈示する)