くらし情報『写真家・篠山紀信はなぜ美術館でヌードを撮ったのか? 写真展『快楽の館』に迫る』

2016年10月4日 08:00

写真家・篠山紀信はなぜ美術館でヌードを撮ったのか? 写真展『快楽の館』に迫る

例えばヨーロッパで、性器をモチーフにしたアートが掲載された雑誌が出せるような地域であっても、宗教的なタブーが存在する場合もある。いろんな場所と時代によって制約が必ずあるので、全く自由なものはどこにもない。でもそれを、かいくぐりながらやるのがいいんですよ。たまに警察が来る時もありますけど(笑)。

――根本的な話になってしまいますが、どうして篠山先生はヌードを撮られるんですか?

商業的な場合は、様々な要望もありますからね(笑)。今度の場合で言えば、本当は服を着ていてもいいんですよ。凝ったヘアメイクとファッションで、いろんなことしてもいいんです。ただそうすると、表現の主体がそちらになってしまうじゃないですか。


原美術館が持つ魔力、磁力、場所の持つ色気みたいなことを、直截に表現しようとした時に、あんまり何もない方がいいんですよ。裸の肉体がふっと出てきて、僕がいろいろそれを写真的に工夫することによって、思ってるものをストレートに出せるというのが、ヌードなんですよね。――同時に今回、講談社さんから写真集も発売されていますね。

図録的な意味で作ってたんですけど、図録をはるかに超えちゃって、すっごく素敵な写真集になっちゃった(笑)。

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