2023年2月17日 19:00
市村正親、役者生活50年でも“不安”だからこそ「タフに」 演劇界の新たな動きも見つめる
ほかにも森繁久彌さんのテレビとか、勝新太郎さんの『座頭市』を目の前で見ていたし。歌舞伎座の『反逆児』では萬屋錦之介さんと十七代目 中村勘三郎さんを1カ月袖で見ました。西村さんの付き人を3年間やっているなかで、いろんな名優の実演を肌で感じたというのが、僕の大きな財産ですね。
――一流の俳優たちの姿をすぐそばで見聞きしていたことで、特に染み込んでいることはありますか?
愚痴を言わないことかな。二流三流の役者は愚痴が多いんです。楽屋に入ってきても、ブチブチブチブチず~っと愚痴を言ってる。「あいつより俺がやったほうが」とか「ギャラがどうだ」とか。そんなことばかり。
――一流の方たちは違ったと。
芝居の話しかしていませんでした。前向きに「ここはどうしよう」「あそこはどうしよう」と、とにかくよりいい芝居をするために、1歩でも1ミリでも前に行こうと考えていた。萬屋の錦にいも、のり平さんも、みなさんそうでした。
○■2.5次元ミュージカルも「ひとつのジャンル」
――ところで、演劇界全体の将来を見て、もっとお客さまを呼び込むためにはどうしていったらいいとお考えですか?
うーん、いまもういろんな形のミュージカルがあって、みんな真剣に作っているからなぁ。