くらし情報『安藤サクラ、永山瑛太らの対応に困惑…カンヌ脚本賞『怪物』“坂元裕二節”あふれる本編映像』

2023年6月1日 10:00

安藤サクラ、永山瑛太らの対応に困惑…カンヌ脚本賞『怪物』“坂元裕二節”あふれる本編映像

独特な会話劇や数々の名セリフ、細部に遊びのあるやりとりを言葉巧みに描く坂元らしさは今作にも現れている。

今回公開されたのは、息子の湊(黒川想矢)が担任教師の保利(永山瑛太)から暴力を受けていることを疑ったシングルマザーの早織(安藤サクラ)が、学校へ説明を求めに行くシーン。校長室に案内された早織の前にぞろぞろと教師陣が入室し、校長の伏見(田中裕子)が担任教師の保利から謝罪をすると切り出し、保利が座ったままか細い声で「え~…」と話し始めると、隣に座っていた教頭の正田(角田晃広)がすかさず「立って」と指摘する。保利は立ち上がりボソボソとしたぎこちない口調かつ、釈然としない態度で謝罪を述べ始め、早織に頭を下げる。すると周りの教師陣もタイミングを見計らったかのように一同に立ち上がり、保利と共に頭を下げて謝罪。

その場しのぎの様子が見て取れる学校側の対応に早織は不信感を露わにするも、校長は「指導が適切に伝わらなかったものと考えております」と回答。早織は校長との対話を諦め、当事者の保利を問い詰めるが、目を見て真摯に問いかける早織に対し、保利は俯いたままティッシュを取り出し鼻をかみ始める。校長はまるで心がこもっていない弁明を繰り返しており、シリアスな場面でありながら、役者陣の不自然な言動やしぐさが滑稽にも感じられる一幕となっている。

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