2023年6月7日 09:00
是枝裕和監督が語る、『怪物』役者陣のすごさとは? 子役の演技力、攻め合う脚本家と俳優に「幸せ」
そこが勉強になりました。
――是枝監督でもまだ「勉強になる」ということがあるんですね。話し合いの中で変化していったことはありますか?
僕がプロットをいただいた段階で構成自体はもうこの形でした。ただ、校長先生の存在はこんなに大きくなくて、田中裕子さんという名前が挙がった点で膨らんできたし、保利先生もやっぱり瑛太さんに決まってからディテールが書き込まれて、面白かったなあ。「どこまで見せるのか」みたいなことは意見を交換していきました。
○■子役を探すのはとても大変
――子役のお二人はオーディションとのことで、どのようにして選ばれているんですか?
直感なんですよね、キャスティングって。2人はお芝居が抜群だったんです。いろんな組み合わせがあって、時々別の役をやってもらったり逆転させたりと試してみたら、あの2人の依里と湊の組み合わせが一番しっくりきました。
柊木くんはほっとくとずっとひとりでお喋りしている子で、直感で役をつかんでしまうタイプ。黒川くんは非常にナイーブで、ひとつひとつ言葉を選んで話すタイプでした。役者としては全く真逆のタイプですけど、そこがまた良かったかもしれないです。
――観ていても真逆の雰囲気は感じていました。