実写版『美女と野獣』大ヒット要因は「音楽」にあり! ビル・コンドン監督が分析
その音楽にまた会えるということで関心を持ったと思うよ。だから答えとしては、音楽の持っている力だったと思うよ。
――実写化にあたっては、具体的なコンセプトを皆で共有するなど、共通言語は何だったのでしょう?
それは確かにあったよ。例えばまず、ある特定の時代設定を決め、リアリティーを前面に出すことも決めた時点で、ファンタジーであることはいったん置いてくんだ。俳優たちも、通常の映画のようにリハーサルを重ねて撮影をした。まったく普通のアプローチで、リアルな映画を撮ったんだ。イアン・マッケランも置時計の役ではあるけれども、普通の映画の現場のように参加してもらった。彼自身の顔はほぼ出ないけれど、たくさんの準備をした。
キャラクターのバックストーリーも、リアリティーを重視したんだ。
――例えば、ガストンの変化ですね。アニメーション版ではまぬけな悪という感じでしたが、実写版では狂気を感じました。その一方でベルの内面の美をも見抜いているという、魅力的なキャラクターになっていました。そう。現実に根差すとなると、俳優はもっといろいろな情報が必要になるものだ。根差すものがあって、初めて演技になるからね。’91年のあのキャラクターをそのまま映画にした場合、この世に存在しないような人になる。