2023年8月22日 11:00
「SNSを規制すべき」は「言論弾圧」につながるのか? ryuchellさんをめぐる現象から弁護士が解説
と語気を強める。
「正直、SNSで誹謗中傷されて嫌な思いをしない人はいないと思います。そうではなく、批判するにしても、それを見る相手に配慮した形で、かつ前向きな議論につながる形での批判ができるかどうかが大切であり、批判・発言する側の“力量”が問われているように感じます。例えば、バカ、あほ、死ねなどと言っているだけでは、その投稿で世の中が良い方向に変わるとは思いません。ですが厳罰化が進んだにもかかわらず、その手の投稿は後を絶ちません」
この現象の理由について、山本弁護士はこう分析する。
「誹謗中傷をしてしまう方については、炎上を単に楽しむタイプなどいろいろいますが、中には安易に情報を鵜呑(うの)みにして自分が“正義”との感覚の下、安易に投稿している方も一定数いるように感じます。また、ネットでの投稿では自らの発言を支持してくれる人が集まりやすく、間違った形で自己肯定感を上げる方法として利用されているようにも感じます」
では正当な批判・意見と、名誉毀損罪・侮辱罪の線引きはどこにあるのか。それは、「公共性、公益目的のもと、真実を前提として、社会的に許容される言葉遣いで行うかどうか」だ。
匿名であることで気分が大きくなり、罵詈雑言(ばりぞうごん)