市毛良枝、芸歴50年以上も役者は向いてない「毎年のように辞めようと…」 山と出会い見出した活動する意味や変化語る
春が始まる瞬間もあって、『今日、春が始まったよね』という日があるんです。そういう瞬間に立ち会うと、まるでシンフォニーが聞こえるように思えて。そういうことを山で感じているんだなと思うと、単なる肉体を使った運動ではなく、五感をいろいろな形で刺激して感動を与えてくれるものなのだと、そう考えるようになりました」
また、肉体を使うからこそ、そういった感動をより味わいやすいと語る。
「肉体を使うつらさがあるから感覚が研ぎ澄まされ、『えらいね~お花頑張ってるね~』というように、小さなことにも感動するように。感動は限りなくあり、喜びがたくさんあるんです」
当初は、登山は単なるリフレッシュだと考えていたが、市毛にとってそれ以上に大切なものに。
「日常とは違うところに行ってリフレッシュしているとしか思ってなかったんです。日々のストレスのようなものを、山に行って解消しているつもりでいましたが、それだけではなく、もっといろんなものをもらって帰ってきていたんだなと気づきました」
山で感覚が研ぎ澄まされ、演技にも生きることはあるのだろうか。
「もしかしたらあるかもしれません。
役者同士も、それぞれの感覚でキャッチボールしながら作っていくので、より繊細になっているのかなと思いますが、自分ではわかりません」