ヤマハ、10年ぶりの産業用無人ヘリ最新モデル「FAZER」で攻めの農業に貢献
実際、1ha当たりの散布時間は、無人ヘリは10分ほどで、動力防除機の160分、乗用管理機の60分と比べると圧倒的である。
同じヘリでも有人は現在は2%しかないが、90年代は無人ヘリと比べて圧倒的な数を誇っていた。しかし右肩下がりとなり、それに対して無人ヘリは右肩上がりで、2003年に逆転した。有人ヘリの場合は墜落事故で人命が関わってくること、ある程度高度を取らないとならないため農薬の飛散問題などが影響した結果だという。
なお、無人ヘリも墜落事故が起きないかというと、年間に240機、登録台数の10%ほどが墜落事故を起こすという。一番多いのが、田んぼ周辺の電線と絡んでしまうことだ。また変に飛行を粘って、制御不能になった挙げ句により被害を増やしてしまうよりは、故障や事故が発生した場合は、セーフティとしてその場で墜落するように設計されているそうである。また、産業用無人ヘリによる農薬散布特性として、ヘリのメインローター(主回転翼)が起こす「吹き下ろし下流」を「ダウンウォッシュ」というのだが、これを効率よく利用して農薬が散布されているという(画像9・10)。
さらに、農業分野以外では同社の無人ヘリは学術調査、防災業務、観測・測量業務などでも活躍中だ。