2024年3月31日 17:00
音楽プロデューサー・松尾潔、エンタメ業界を「クリーンな世界に」 声を上げやすい社会への変化も期待
我々は今、そういう反省をしなければいけないと思っています」
自身も、ゆるくではあるが同調圧力のようなものを感じることがあったという。
「『いいエンタメとは、いいショービジネスとはこういうものである』『こういうときはこうするべき。空気を読めよ』というような同調圧力が、ギュッと締め付けるのではなくふわっとした感じで、そういった空気が蔓延している気がします」
日本を代表するアーティストの楽曲を手掛けてきた松尾氏だからこそ、関わってきたアーティストへの影響も考えざるを得ない。
「2015年の安保法制のときに、デモに参加したミュージシャンの方もいました。僕は日本のエンタメのど真ん中にいる人たちと仕事をしているので、例えば僕がそういったデモに参加したり、業界や社会に関して何かアクションを起こすと、その人たちに迷惑がかかるのではないかと。そういう思いをずっと抱えていました」
だが、ジャニー喜多川氏の性加害問題が明るみに出て、「これは声を上げなければいけない」という思いに。
「この問題の本質は人権蹂躙であり、被害を受けているのが子供、もしくは、かつて子供だった大人たち。僕は特別正義感が強いわけでもないですが、これはあり得ないと思ったんです」