2013年11月12日 07:00
「ものづくりの民主化」が変える日本の製造業 対談:イノベーティブ・ジャパン代表 浅見純一郎 × プロトラブズ社長 トーマス・パン
例えばモニタ越しに2次元のグラフを眺めるよりも、3Dプリンターで製作したオブジェクトをベースに数値情報を共有したほうが、企業状況をより正確に伝えることができるのではないかと思っています。例えば地域別の収益データを、まさに手に取りながらその規模を把握し、意志決定などができるわけですから。このように、手軽に使える3Dプリンターがあるからこそ「ものづくりの民主化」ができるのだと思います。
パン氏:
ものづくりの民主化は、3Dプリンター以外でも広まってきていきます。弊社のお客様には、もともとソフトウェアのエンジニアだった方がいます。彼は、iPhoneやスマホを通じて家の中の家電をネットワークで遠隔操作できるITグッズを2年前に起業して開発しました。これは、いまハウスメーカ各社が注力している「スマートハウス」の先駆けです。ネットでたのめるデジタル製造サービスによって新しい製品を生むことができたわけです。
具体的には、起業したてのこの方の会社でも、電子基盤と樹脂筐体の小ロット生産を簡単にネットで外注できたことで、大企業のような資本がなくても付加価値のある斬新なITグッズを製品化できたのです。
浅見氏:
3Dプリンターでも大きな付加価値が創造できれば、同様なものづくり革命が起こせそうですね。