SNSや匿名掲示板で起こる芸能人・一般人への誹謗中傷…“開示請求”事例や手続きについて弁護士が解説
と「公表する理由」を比較し、「各ツイートの削除を求めることができる」(最高裁令和4年6月24日判決)と判断した判例もあります。
――「肖像権侵害」についてはいかがですか?
「肖像権」は、承諾なしに他人から撮影・公表されないという権利です。例えばSNSに投稿した日常生活上の写真、YouTube撮影などに誰かが映り込んでいた場合も、本人が承諾していなければ、肖像権侵害にあたるとして開示請求が認められる場合があります。
実際に、「人の肖像等を無断で使用する行為が不法行為法上違法となるか否かは、対象者の社会的地位、使用の目的、態様及び必要性等を総合考慮し、対象者の人格的利益の侵害が社会生活上の受忍限度を超えるものといえるかどうかを判断して決すべきである」(東京地裁令和4年10月28日判決)と判断した裁判例があります。
○他人の社会的評価を低下させる意見や中傷…「名誉権」「名誉感情」侵害
――「名誉権侵害」についてはいかがでしょうか?
名誉権の侵害とは、人の社会的評価を違法に低下させる行為をいいます。事実を記載して人の社会的評価を違法に低下させるケースとして、例えば「○○さんは不倫している」