SNSや匿名掲示板で起こる芸能人・一般人への誹謗中傷…“開示請求”事例や手続きについて弁護士が解説
と判断されています(東京地裁平成30年9月14日決定)。――最後に「名誉感情侵害」はどのようなものですか?
「名誉感情侵害」で問題になりうるのは「限度を超える侮辱行為」かどうかです。線引きが難しいところですが、投稿内容や投稿の前後の文脈、投稿の経緯などを踏まえて判断されます。
例えば何の脈絡もなく、特定の芸能人に対し、容姿や能力に対する否定的な言葉を投稿した場合は、名誉感情侵害と判断される可能性があります。一方で、番組や作品の論評の中でそれらの言葉が登場する場合などは、文脈によって名誉感情侵害にあたらないとされる場合があります。ただし、ひどく侮辱的な言葉を使っていた場合、また「死ね」と言った直接的な罵声などは名誉感情の侵害にあたるとして、開示請求が認められることが多いです。
――本人へのコメントやDMだけでなく、自身のSNSアカウントや動画、ブログなどでの発言も開示請求にあたりますか?
第三者のSNS上のリプライやコメントだけでなく、投稿者自身のSNSアカウントや動画、ブログ、または匿名掲示板で投稿をした場合も、発信者情報開示請求の対象となります。
その一方で、開示請求の対象にならないものもあります。