塚本晋也が初の時代劇を監督「鉄と人との関わりには変わりがない」1本の刀に込めた思いとは?
『野火』の場合は「素晴らしい原作に近づきたい」という気持ちで映画を作っていたので、他の作品とはかなりアプローチの方法が違うんですが、「自分の得意技を出す」という部分だけは共通していましたね。
――塚本監督は常々「映画はお金を出している人のもの」とコメントされていますね。
高校生くらいの時から「最終的にはお金を出している人が全て決められるものだ」と自然と感じていましたから。自分の作りたい映画を撮るためには、自分でお金を集めてくるのが一番手っ取り早いんです。プレゼンテーションが上手い人なら違うんでしょうけど。そういう人は相手の喜ぶポイントをしっかり押さえたりして。僕は自分の思いのたけを全部喋っちゃうからダメなんだな、といま気づきました。どっきりカメラみたいなことは、自分には絶対できないんです。
「本当はこんな映画なのに……」と「嘘の時間」をずっとやり続けることは、僕にはとうてい無理ですね。最初から「こういう魂胆で作ってます!」って正直に言っちゃうから、「うわぁ、それは困る!」ということになってしまって、なかなか企画が成立しないんです……。
――塚本監督は、嘘が付けないタイプなんですね。
どちらかというと「後でガッカリされるくらいなら、最初から全部見せておいた方がいい」という感じですかね(笑)。
(C)SHINYA TSUKAMOTO/KAIJYU THEATER
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