20年以上のキャリアを積むうちに、何人もの友人や同僚がユニフォームを脱ぐのを目の当たりにしてきた。
日本球界で輝かしい実績を残した選手ならば、引退後は監督・コーチとしてそのまま球団に在籍したり、評論家やタレントとしてメディアに登場したりできる。それがかなわなくても、運が良ければ打撃投手やスコアラー、スカウトといった形などでどこかの球団に雇ってもらう道もある。だが、そうやって野球に携われることができる選手はほんの一握りにすぎない。大半の選手は、野球とは全く関係のない道を選ばざるをえない。
木田選手がそういう境遇に置かれた選手に今後についてたずねると、「何もやることがない。特にやりたいこともない」という反応が本当に多いという。だが、アメリカは違う。
○考える力が養えるアメリカ
「アメリカはどうかといったら、野球を終えても大学に行って勉強しなおして、お医者さんになったりする選手もいる。何が一番違うかというと、時間ではないでしょうか」
日本では、若手選手や実績のない選手は10月にシーズンを終えると、すぐさま宮崎でフェニックスリーグと呼ばれるリーグ戦に参加。それが終わると秋季キャンプに突入。