11月中旬まで、早朝から夕方までハードな練習をこなす。オフらしいオフといえば、12月の1か月間だけだ。一方のアメリカはどうか。
「メジャーリーガーはシーズンが終わったら、選手たちはそのまま自宅のある他の州へと帰ってしまう。次に会うのは2月。その間はいろいろと自分の時間が使える。マイナーリーガーは9月いっぱいでシーズンが終わるので、もっと自分の時間がある」。特にマイナーリーガーは生活が苦しいため、アルバイトで社会経験を積んだり、将来のために勉強をしたりする選手が多いという。
さらに木田選手は続ける。
「日本の選手は(練習施設が併設されている球団の選手)寮に行ったら野球の練習ができる。でも、アメリカの場合では地元に戻ったらトレーニングする場所を自分で探さないといけない。そして、その練習するメニューも自分で考えないといけない」
どこで練習をするか。どれだけ練習をするか。短所を補う、あるいは長所を伸ばせる練習は何か。アメリカの選手はこれらを自ら考える。木田選手はこの「考える力」こそが、日米の野球選手における最大の違いであり、これがないからこそ、日本のプロ野球選手は第二の人生を歩むときに苦戦しがちだと指摘する。