今回のテーマは「機体構造の保全・構造管理・寿命管理」である。これも機体がらみの話なので、機体関連の話がいろいろ出てきたところで、あわせて取り上げておこうと思う。
○飛行機の寿命は何で決まる?
モノにはみんな、何かしらの「寿命」がある。では、その「寿命」はどうやって決まるのだろうか。
たとえば、構造的にはまだまだ使えるものであっても、商品性がなくなったとか、陳腐化してユーザーがソッポを向くとかいう理由で、商品としての寿命が尽きてしまう場合がある。そこで鉄道車両でよく行われているように、(物理的な)寿命の中途で延命を兼ねたリニューアルを行い、商品性の維持を図るケースもある。ただ、飛行機の場合にはこうしたケースは多くないようだ。
飛行機の場合、飛べなければ仕事にならないので、その「飛ぶ」ための機能を実現する主翼、あるいは人やモノを収容する胴体部分の構造強度が最大の問題になる。
飛行に際してはさまざまな負荷がかかるし、機内を与圧していれば、飛行の際にかかる負荷に加えて機体内外の圧力差による負荷も発生する。そうした負荷が機体構造材を劣化させて、使用に耐えない状態になると「寿命」である。そして、「寿命」