くらし情報『航空機とIT (9) 機体構造の保全とHUMS』

2014年6月30日 08:30

航空機とIT (9) 機体構造の保全とHUMS

を示す具体的な指標としては、「累計飛行時間」が用いられることが多い。

だから、激しい機動飛行を行う戦闘機は旅客機よりも寿命が短い。飛行に際して機体にかかる負荷が桁違いだからだ。戦闘機の寿命は一般的に、累計飛行時間4,000~8,000時間ぐらいとして設計するから、2時間のフライトを2,000~4,000回やれば終わりである。

その旅客機でも、頻繁に離着陸する機体は機体内外の圧力差が変動する回数が増えるので、それだけ機体構造材が劣化しやすくなる。つまり、累計飛行時間が同じであったとしても、国内線で頻繁に離着陸を繰り返している機体と、国際線で少ない離着陸しかやっていない機体とでは、当然ながら前者の方が寿命が短い。ボーイング747が日本国内線専用のSRモデルを用意した所以だ。

逆に、飛行に伴う構造負荷が少なく、かつ機内を与圧していない、たとえばヘリコプターや軽飛行機は長持ちするといってよいだろう。


○しかし実際には……

と、ここまでは理屈・建前の話である。

実際のオペレーションでは、負荷のかかり方も、離着陸の回数も、個々の機体ごとに差が生じるのは避けられない。そして、機体構造に負荷がかかる原因がいろいろある以上、その原因ごとの比率の軽重によって機体構造の劣化状況に違いが生じることもまた、避けられない。

新着くらしまとめ
もっと見る
記事配信社一覧
facebook
Facebook
Instagram
Instagram
X
X
YouTube
YouTube
上へ戻る
エキサイトのおすすめサービス

Copyright © 1997-2024 Excite Japan Co., LTD. All Rights Reserved.