そのデータを地上のコンピュータに取り込んで管理することで、より精確な構造管理・寿命管理を行えるという仕組みだ。
近年では、このHUMSによる構造管理体制が整っていることをアピールして、売り物にしている機体も存在する。それぐらい、「一度買った機体は寿命いっぱいまで使い切りたい」というユーザー側のニーズがあるということなのだろう。
○それでも駄目なら替えてしまえ
ここから先は余談である。
ASIPを使おうがHUMSを使おうが、機体を飛ばしていればいつかは寿命が来る。しかし、予算上の理由などでおいそれと代替ができなかったらどうするか。そこで登場するのが延命改修である。といっても、エンジンや電子機器なら外してすげ替えれば済むが、機体構造はどうするか。
実は、老朽化した機体の機体構造材をすげ替えた事例は案外とたくさんある。具体例をいくつか挙げてみよう。
B-52爆撃機 : 機体外板を張り替え
F/A-18戦闘機 : 中央部胴体をまるごと新品に交換
P-3C哨戒機 : 主翼や尾翼の構造材を新品に交換(一部は外板の張り替えのみ)
AH-1W攻撃ヘリ : 胴体の前半部だけ新品に交換
「そこまでして使うのか」