くらし情報『航空機とIT (9) 機体構造の保全とHUMS』

2014年6月30日 08:30

航空機とIT (9) 機体構造の保全とHUMS

にもかかわらず、機械的に「累計飛行時間がこれこれに達して設計上の上限を超過したので、用途廃止にします」というのは、いささか不経済な話だ。そこで、個々の機体ごとに運用状況や構造材の劣化・疲労状況を監視してデータをコンピュータで管理することで、ギリギリいっぱいまで使い倒そうという考え方が出てきた。

その典型例が、軍用機の世界で広く用いられている「機体構造保全管理プログラム(ASIP : Aircraft Structural Integrity Program)」である。航空自衛隊のF-4EJファントムII戦闘機が未だに現役を続けていられるのは、ASIPによって細かく寿命管理を行っていることと、それを受けた整備補修サイドの努力のおかげだ。といっても、早いところ後継機のF-35Aが出揃って欲しいところだが……おっと、閑話休題。

その辺の考え方をさらに推し進めると、機体構造材にかかる負荷データを常に収集し続ける、という考え方につながる。そこで登場するのが、HUMS(Health and Usage Monitoring System)だ。つまり、機体構造材の各所にセンサーを取り付けておいて、飛行の際にかかる負荷データを収集・記録する。

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