くらし情報『岩本沙弓の”裏読み”世界診断 (6) 円高で日本企業は”危機的状況”ではなかったのか? 「増配」のニュースの謎。』

2012年3月13日 12:45

岩本沙弓の”裏読み”世界診断 (6) 円高で日本企業は”危機的状況”ではなかったのか? 「増配」のニュースの謎。

岩本沙弓の”裏読み”世界診断 (6) 円高で日本企業は”危機的状況”ではなかったのか? 「増配」のニュースの謎。
2012年2月末になりますが、2012年3月期の上場企業の株主への配当が前期比3%増えて、3年ぶりの高水準となる見通し、というニュースが伝わってきました。

昨年は東日本大震災やタイ洪水などの自然災害がありました。

夏には米国の債務引き上げ問題、後半には欧州債務問題と世界的な経済危機の一歩手前か、というような事態にも見舞われました。

そんな中で円は対ドルでの戦後最高値の更新があり、高値水準で止まっていた経緯があります。

こうした状況が続いたため、日本の製造業の存続は危機に瀕している、というのが通説です。

ですから、2012年春闘の話が伝わって来たときも、連合の給与総額1%の引き上げ要求に対して、経団連は定期昇給凍結までをも示唆していました。

つまり、こんなに厳しい経営環境なのだから、給料のベースアップも、定期昇給の実施も到底無理ということです。

これだけを取り上げれば、さぞかし企業業績も悪いのだろうと思ってしまいます。


しかし、実際には株主に増配できるぐらいですから、円高によっても企業業績は悪化してはいないのです。

もう少し増配についての内容を補足しておくと、東証に上場している企業は約3,600社ありますが、そのうちの7割に及ぶ2,415社を対象にした集計によると、減配する企業は13%であるのに対し、増配企業は21%と上回ってます。

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